「属人的司教区」が発足 指導は前聖公会司祭に委ねる 米国 2012年1月21日

 教皇べネディクト16世は1月1日、米国の「オルディナリアーティ・ペルソナーリ」(属人的司教区)を発足させ、その指導を聖公会の前ニューメキシコ主教ジェフリー・N・スティンソン司祭に委ねた。同司祭は子どもが3人。カトリックに改宗したのは2007年、09年にカトリック司祭になった。

 米カトリック教会テキサス州ヒューストン教区は、「オルディナリアーティ・ペルソナーリ」が英国国教会の形式に則ったミサを行うことを認めた。

 「オルディナリアーティ・ペルソナーリ」は、2009年に教皇べネディクト16世が、保守的な英国国教会(聖公会)の司祭、信徒、または1教会全体が、音楽や祈祷をこれまでの形式で守りつつ、「ローマ」と連携できるようにした使徒憲章の承認に際して導入した制度。転会した主教は、カトリック教会の司祭としての務めを果たすことができる。既婚の男性司祭はそのままカトリック司祭となる。ただ、未婚の司祭が後に結婚することは認められない。

 「オルディナリアーティ」はすでに英国(イングランドとウエールズ)で発足しており、米国が2番目。今後カナダとオーストラリアでも発足するものと見られる。

 英国の「オルディナリアーティ」は発足1年だが、信徒1千人、司祭60人に留まっている。カトリック教会に転会するよりは、派内の保守的団体や分離グループに属すことを選ぶため。

 米聖公会からは司祭約100人が米国の「オルディナリアーティ」のカトリック司祭となるよう手続きしている。また信徒1400人、小規模の6教会が転会する。

 スティンソン司祭は2日、声明を発表、加入する聖公会信徒に「学習の急カーブ」を覚悟するよう警告している。

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