ワイズメンズクラブ 東日本区元事務局長が私的流用 「任意団体」の責任問われる 2012年1月28日

 国際交流活動などを行うキリスト教青年会(YMCA)活動のOBらでつくる、任意団体「ワイズメンズクラブ国際協会東日本区」(新宿区、会員数1100人)で事務所長だった男性(74)が、在職中の6年間で、積立金の全額3916万円を私的に流用するなどして、着服していたことが明らかになった。1月14日付の読売新聞(都民版)が報じた。報道によると、同クラブは会員全員に書面で流用について報告し、今後は会計担当を置くなどの再発防止策をまとめた。元事務所長は昨年6月に任期満了で退任後、同9月になってクラブ側に、積立金流用の事実を自ら申し出たという。

 同紙はさらに、ワイズメンズクラブ国際協会東日本区の話として「善意の人が集まる任意団体ということで、法人では考えられないようなずさんな管理態勢だった。今後は二度とこのようなことが起きないようにしたい」と報じている。

 「善意の人が集まる任意団体」という東日本区。任意団体としての自己認識が不十分だったことは否めない。ただこの問題はワイズメンズクラブに限らず、任意団体、特にキリスト教関係の団体には共通する課題だ。教会の「婦人会」も任意団体なら、教会自体も法人格を取得するまでは任意団体だ。構成員が増えれば金銭面の収支も拡大するが、それに対応した態勢づくりは欠かせない。

 任意団体でありながら、会員数が1千人を超し、流用されただけでも4000万円近い資金を動かしていることへの自覚がなければ、「法人では考えられないようなずさんな管理態勢」のままだった。

 プロテスタントでは大教派の地方組織が数千万円もの横領や処理不明事件を引き起こしたが、実態をひたすら隠すことにのみ終始している。宗教法人の1支部としての認識を欠いたまま、任意団体として機能すること自体が問い直されるだろう。

 今回の流用を本人が申し出るまで発見できなかったことも、前事務局長がワイズメンズクラブに多大の貢献をし、区理事という最高位について指導力を発揮し信頼を集めていただけに、周囲が流用を想定さえしなかった、と見られる。

 任意団体の閉鎖性を改めて浮き彫りにした点で、見逃せないのは「会員全員に書面で流用について報告」しながら、外部には漏らさないよう要請していたこと。読売新聞が報じて以後も、外部への公的な発表や説明はない。

 内情に詳しい広報研究者は、「秘密結社ではないのだから、自らの不祥事態についても積極的に知らせるよう努めなければ、それ自体がさらに不信を増すことにつながると気づいてほしい」と指摘する。

社会・教育一覧ページへ

社会・教育の最新記事一覧

TO TOP