米大統領選 共和党候補で混迷 2012年2月11日

 今年11月の米大統領選(11月6日投開票)に向けた共和党指名候補争いで、序盤戦のヤマ場とされていたフロリダ州予備選の投開票が1月31日に行われ、保守派からも幅広い支持を得たミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)が圧勝し、再び選挙戦の主導権を握った。米メディアは、キリスト教右派・福音派の支持層を、対立候補のニュート・ギングリッチ元下院議長とほぼ互角に分け合ったと見ている。ロムニー氏はニューハンプシャー州に次いで2勝目。

 ロムニー氏が末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の信徒であることから、国内メディアも米大統領選における宗教票の動向に注目し、さまざまな角度から取り上げている。ただ、有権者の関心は経済問題にあり、宗教的要素はそれほど問題視されていないとの見方もある。

 ロムニー氏はハーバード大学経営学修士(MBA)を卒業し、マサチューセッツ州知事、ソルトレイク冬季五輪委員会委員長、ベイン・アンド・カンパニー最高経営者などを歴任。当初、本命候補と見られていたが、昨年行われた代表約3千人による模擬投票では、4%の得票で6位にとどまっていた。

 モルモン教をめぐっては、宣教師たちの奮闘を描いたミュージカル「ブック・オブ・モルモン(モルモン書)」が、米演劇界最高の栄誉とされるトニー賞を受賞したことを受け、教会側が全米規模のキャンペーンに乗り出しており、米メディアが特集を組むなど、その影響力を徐々に拡大しつつある。

 他方、米国で全宗教人口の2割を擁する福音派の一部は、モルモン教を異端視し、反発を強めている。昨年10月7日にワシントンで開かれた共和党を支持するキリスト教保守派の会合では、テキサス州ダラスのロバート・ジェフレス牧師(第一バプテスト教会)が、テキサス州知事で共和党大統領候補のリック・ペリー氏を「イエス・キリストの忠実な弟子」と称賛した一方、モルモン教会をカルトと断定。ロムニー氏は「キリスト者ではない」と語った。

 ロムニー氏はこの発言に対し、「宗教を背景とした大統領候補者に対する評価の差別があってはならない」として、リック・ペリー氏への称賛についても撤回を求めた。

 同じく共和党大統領候補の一人でモルモン教徒のジョン・ハンツマン氏はCNNの取材に対し、「投票にあたっては宗教を切り離して考え、米国の将来にとって最も重要な課題に焦点を当てるべき。宗教がキリスト教かモルモン教であるかは、大統領候補に必要な条件ではない」と答えた。同氏はその後、候補指名争いの辞退を宣言し、ロムニーへの支持を表明した。

 11月にはアイオワ州の福音派幹部が「ロムニー氏以外の候補」を支持する方針を決め、同州の共和党党員集会では、ロムニー氏と対立候補の得票数は僅差となった。

 韓国紙「東亜日報」は2月2日の論説で、カトリック信者のケネディ大統領が選挙期間中、「わたしはカトリックの大統領選候補ではなく、民主党の大統領選候補であり、たまたまカトリック信者であったにすぎない」と語り、宗教問題に飛び火することを敬遠する態度を取ったことを紹介し、「モルモン教が『重婚禁止』を公式宣言したにもかかわらず、まだ一部の原理主義者が一夫多妻制を維持していることへの否定的な見方が依然として残っている。米国人は、初のモルモン教大統領を迎える準備ができているのだろうか」と釘を刺した。

 多様な階層、人種、宗教的背景を持ったフロリダ州で支持を広げたロムニー氏の動向に、今後も注目が集まりそうだ。


キリスト教政党 創設構想を示す ロシア正教会 

 ロシア正教会モスクワ総主教座の政治関係報道担当フセフォロド・チャプリン大司祭が、キリスト教政党創設構想を明らかにした。

 宗教政党が法律で禁止されていることを認めながら、宗教関係と正式に登録せずに政党を結成する方法を検討中、と大司祭は語った。ヨーロッパ各国の「キリスト教民主党」を先例として挙げている。

 そのような政党は正教会の明白な支持を得られないとしても、キリスト者の政治活動原則を具体的に実施できるとしている。(CJC)

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