「マシンガン・プリーチャー」試写に渡部氏 〝血だらけで泣くのは子どもたち〟 2012年2月11日

 スーダンの紛争地帯を舞台にした映画「マシンガン・プリーチャー」(2月4日付既報)の試写会に出席した戦場カメラマンの渡部陽一氏が1月31日、混迷の紛争地帯の現状を語った。

 これまで何度もスーダンを訪れているという渡部氏は、「陸の孤島と呼ばれるスーダンで、(主人公である)牧師の目から見た実体験が激しく胸に刺さる」と感想を述べた。民族、宗教、資源・環境の問題が絡み合い、世界中で起きている戦争のそれぞれの理由がスーダンの中で大きくうごめいている、と話した。

 本作は、かつては麻薬の売人で刑務所の世話になっていたが、現在は“銃を持った牧師”と言われ、アフリカの児童救済に尽力するサム・チルダースの半生を描く。

 実際にルワンダ内戦で少年兵に遭遇したことがある、と明かす渡部氏。戦場カメラマンになった理由には、「親を亡くして兄弟や家をまもるために銃を取らざるを得ない子どもの声を届けたい。アフリカでは、どの地域に入っても血だらけになって泣いていたのは子どもたちです」と語る。

 昨年7月に分離独立した南スーダン。PKOで自衛隊が派遣されていることにも触れ、「いよいよアフリカという『大陸』ではなく、一つひとつの『国』に目が向いていく新しいアフリカの時代になってほしい」と希望をふくらませる。

 最近はアフガニスタンや東日本大震災の被災地で撮影を行っていたとし、「カメラマンとして自分にできることは、写真を撮り、たくさんの方の声を聞くこと」と述べた。震災から1年を迎える3月には「被災地に飛び込めるよう心がける。今まで出会ってきた人たちに、生活の変化についても聞いていきたい」と抱負を語った。

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