土、人、神を歌う「酪農讃歌」 酪農学園大学の校友歌がCDに 2012年2月25日

 北海道江別市の酪農学園大学(谷山弘行学長)は、賀川豊彦が作詞し長く親しまれてきた校友歌である「酪農讃歌」のCDを制作し、1月19日にリリース。これを記念し、同日、賀川記念館館長の賀川督明氏を招いて特別礼拝を行った。

 酪農讃歌は、賀川豊彦が1952年に江別市に「キリスト村を建設するため」来道した際、樋浦誠学長(当時)の依頼を受けて作詞したもの。息子で教会音楽家の純基氏が作曲した。詞には、同学園の「神を愛し、人を愛し、土を愛する」という三愛精神が込められている。

 一昨年、短大60周年、大学50周年を迎えた同学園は、記念事業の一環としてCD制作に取り組んできた。同学園の教職員や学生もメンバーに入っている北海道農民管弦楽団(北海道後志管内余市町)の牧野時夫代表が、もとはピアノの伴奏だけであった酪農讃歌をオーケストラ用にアレンジ。農業を営み、聖公会信徒である牧野氏は、キリスト教に根ざした酪農精神が込められているこの讃歌に感銘し、レコーディング、指揮を引き受けた。

 販売は同学園生協で。CD500円、CDとDVDのセット1千円。送料350円で郵送も受け付ける。問合せは同学園生協(℡011・386・7281)まで。

 同学園黒澤記念講堂で開催された特別礼拝には、学生、教職員、卒業生ら約200人が出席した。

 本業はデザイナーである督明氏は、「雲の柱に導かれるままに」と題して奨励。祖父・豊彦の社会運動やキリスト教信仰について、当時の写真や著書のスライドを展開しながら紹介した。

 酪農讃歌の最後のフレーズ「乳房持つ神 我とともなり」は、「豊彦の独特の信仰の形だろうと思う」と言う。幼少期に母を失くした豊彦は徳島の本家に引き取られたことから、「母に愛されることを神に愛される、ということに置き換えて生きてきたのだと思う」と祖父の心境を思いやった。

 また豊彦が自ら「私は弱い人間」と著していたことに触れた。酪農讃歌が土、人、神を歌っていることを「弱い豊彦は積極的にそれらを愛するという方向ではなくて、むしろ、(自分が)愛されることに重きを置いていたのではないか」と思いを寄せる。

 「豊彦自身、わたしは弱いから多くの人と手を取り合っていかなければならない、と。弱いからこそ、神が強くしてくれるという信仰に生きていたのだと思う」

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