追悼と復興祈願 カトリック教会全司教が参集 2012年3月3日

 日本カトリック司教協議会(=日本カトリック司教団、池長潤会長)は2月15日、東日本大震災から1周年を前に、「犠牲者追悼と復興祈願ミサ」を関口教会聖マリア大聖堂(東京都文京区)で挙行した。司教協議会を構成する全司教17人、昨年10月に着任した駐日教皇大使ジョゼフ・チェノットゥ大司教、司教・司祭団の共同司式による荘厳ミサに、24の国・地域の駐日大使とその夫人、代表ら約90人が参列した。

 祭壇に香炉の煙が立ち上る中、ミサに訪れた数百人の会衆は、2万人にも及ぶ犠牲者・行方不明者をしのんだ。

 初めに、教皇ベネディクト16世の意向を受けて教皇庁国務省長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿が作成した池長司教宛のメッセージを、チェノットゥ駐日教皇大使が朗読。

 「教皇さまは、災害から数カ月の間になされた、皆様の毅然とした一致ある対応が、現在進行する復興の努力の中でも続けられていくことを確信しておられます」と語った。

 説教は、被災地から来た平賀徹夫司教(仙台教区)が行った。自らが体験した被災者の悲しみや孤独に触れ、「もっとも怖いことは、時の経過につれて、一番弱い立場に置かれた人たちの存在が忘れられてしまうこと」と述べ、谷間に置かれた人に対して何ができるのか、と心境を明かした。

 この日読まれたマタイ7章7~11節の聖句「求めなさい。そうすれば、与えられる」を引用し、「このみ言葉がシンプルであればあるほど、わたしたちは信じる必要がある」「悲しむ者の目から涙をことごとく拭い去ってくださるその神が、今なお苦しみの中にある人々の嘆きや悲しみを知らないはずはない。父なる神への深い信頼のうちに、心から祈る者になりたいと思う」と結んだ。

 東日本大震災後、司教団は、日本の全教区が被災地・被災者支援に取り組むことを昨年6月の定例司教総会で決定。そうした流れで、震災から一周年の節目に今回のミサが捧げられた。

 全司教が一堂に会するのは、年に2回の司教総会、新しい司教の叙階式、08年11月に行われた「列福式・列聖式」やローマ教皇が来日した時などに限られ、ミサに全司教が参集するは異例のこと。

 3月11日の大震災1周年当日は、16教区がそれぞれの教区で、犠牲者への追悼と復興祈願のミサが行われる。

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