イケメンの〝福音〟に若者熱狂 「アルターボーイズ」追加公演 2012年3月10日

 ニューヨーク発のロック・ミュージカル「アルターボーイズ」の追加公演が、2月26日、東京・新宿のライブハウスBLAZEで千秋楽を迎えた。12時からの昼公演では約650人の観客が「イケメン」たちの〝福音〟に熱狂した。

 日本では2009年2月の初演以来、連日満員の人気を博し、今年再々演となった。同日はその追加公演の最終日。昼公演は中塚皓平さんらORANGE・CAST、大河元気さんらGREEN・CAST、総勢10名がステージに登場。バンドメンバーも交えて、全11曲を歌い、踊った。

 ライブを通じて観客たちの「迷える魂」を浄化する、というストーリーにのせて「アルターボーイズ」たち一人ひとりの心情をも描く作品。マシュー(マタイ)を愛している同性愛者のマーク(マルコ)、ユダヤ教徒のアブラハム、移民のフアン(ヨハネ)、「少年回復センター」にいたルーク(ルカ)と「ボーイズ」らはマイノリティに対する社会差別を暗に訴え、「君は1人じゃない」「自分の真実を認めよう」と歌う。「みんなその素晴らしい場所を知らない」と教会を紹介する曲や、「ジーザスからの携帯電話」などキリスト教信者にも親しみがあるであろう内容が明るいディスコミュージックからコーラスの美しいバラード、アクロバティックなパフォーマンスなどに乗せて演じられた。

 昨年の公演でファンになったという観客の女性2人組は、「観ていて元気が出る。特にマークのキャラクターが好きで、孤独を抱えていてもそれを明るいイメージで表現しているところが好き」と語った。

 作品中には、聖書の中のエピソードやユダヤ教、カトリックに対する「差別」、「進化論はダメ」などの宗教的知識を必要とするような事柄や、「家族」、「神の子ども」、「神様からの贈り物(才能)」とキリスト教的な表現が随所にちりばめられている。

 前出のファンは「最初は意味がわからなかったけれど、昨年のパンフレットに解説が詳しく載っていてだいたい理解できた」、またファン同士の会話の中で「ルカによる福音書はたとえ話が多いからルークはたとえ話をよくする、ということを知った」とも。

 演出を手掛けた玉野和紀さんは「作品の内容はキリスト教という日本人にはなじみの薄いもの」とした上で、「明るく青春を謳歌している若者たち」は世界共通、「キリスト教に詳しくなくても十分に楽しめるように玉野ワールドに染めてお届けします」と作品パンフレットに綴った。

 同パンフレットでは、ORANGE・CASTのアブラハム役三上俊さんが「教会で英語を習っていたことがあったのですが、日曜日は違う塾に通っていたため、何度誘っていただいてもミサに出れませんでした。神父さん、ごめんなさい」と打ち明けている。

 3月10日、11日にはホワイトデーイベントとして「ボーイズ」メンバーによる特別公演が行われる。

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