プロテスタント校・カトリック校が合同フェア 「よく生きる力」つける教育を 2012年4月7日

 キリスト教主義の中学校・高等学校計46校(うち5校は資料参加)が参加した「キリスト教学校合同フェア」(実行委員会=聖パウロ学園高等学校、立教女学院中学校・高等学校)が3月20日、上智大学(東京都千代田区)を会場に開催された。

 カトリック学校とプロテスタント学校が合同でイベントを開催するのは初で、東京以外にも北海道、神奈川、埼玉、静岡の学校が参加。キリスト教学校の卒業生による講演とパネルディスカッションの他、学校形態別説明会や個別相談も行われ、受験を控えた小中学生とその家族など、1千人以上が来場した。

 「今こそキリスト教学校」と題して講演した渡辺和子氏(ノートルダム清心学園理事長)は、「生きる力」だけでなく「よく生きる力」をつけるための教育を施すのがキリスト教学校だと主張。「1人の人間を一人格に育て上げること」がキリスト教学校の目標であるとし、そのために求められるものとして「理性・自由意志・責任」の三つを提示。人生には思い通りにならないこともあるが、「よく生きる力」を持った人は、その意味を判断し、選択することができると述べた。

 また、教育事業に携わる中で何よりも大事なのは、「一人ひとりの魂」であるとし、「キリスト教がこれを忘れたとしたら、看板を降ろさないといけない」と強調。学生たちの中に育てていかなければいけない「よく生きる」ための必要な心として、「待つ心」「思いやる心」「自分を大切にする心」の三つを挙げた。

 その上で、「『神さまが決してわたしたちの力にあまる試練をお与えにならない』ということに対しての信頼と同時に、神さまは考える力、選ぶ力をお与えになった。そして判断して選択した結果として、自分が責任を取る。一人格として生きていく。それを生きている間に学んでいく。そのことを自分の生い立ちの中で学んできたように思う」と、自身の経験を振り返った。

蓮舫氏、辛酸氏らも在学経験語る

 「キリスト教学校に学んで」と題するパネルディスカッションでは、高橋博氏(聖パウロ学園校長・理事長)の進行で、蓮舫(参議院議員)、成澤廣修(文京区長)、辛酸なめ子(漫画家、コラムニスト)の3氏がパネリストとして発言した。

 青山学院(幼小中高大)の出身で、自身の双子の子どもを現在同中学校に通わせている蓮舫氏は、キリスト教学校の魅力を「常に聖書の学びがあること」と語り、「子どもがどうやって自分の力で育っていくか、何に頼っていくべきなのか、デジタルな情報以外で何にその子の心の中の礎というものを求めるのかという答えを、わたしはキリスト教学校の聖書の学び・教えというものに今頼っているところ」と明かした。

 暁星学園(幼小中高)出身の成澤氏は、2年前に育児休暇を取得して、ベストマザー賞を受賞したことを振り返り、家族愛に根ざした行動が取れた理由を「暁星での14年間の生活の中で、知らず知らずのうちにわたし自身がその考え方を身につけていたということ」と語った。また同学園のよいところとして「同窓会のネットワークの強さ」を挙げ、「横の結びつき、縦の結びつきの深さは、区立は勝てないところ」と指摘した。

 辛酸氏は、出身校である女子学院中高での生活について、「聖書の言葉に導かれつつ、自分の人生は自分で決めるという自主性が養われたことはよかった」と振り返った。「キリスト教学校なのに信仰者がいない学校がある。キリスト教的な心が育っていないのではないか」との意見に対しては、生徒の中に受洗者が少ないことを指摘しつつも、聖書の授業と礼拝を例に挙げて、「聖書とかキリスト教は、洗礼は受けていないかもしれないがインプットされていると思う」と印象を語った。

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