アムネスティ日本 死刑執行に抗議 処刑しながらの見直し議論は矛盾 2012年4月14日

 アムネスティ日本は3月29日、東京、広島、福岡の各拘置所で合わせて3人の死刑確定者に死刑が執行されたことについて、抗議声明を発表した。死刑執行のなかった翌年に執行をしたことは、死刑執行に固執する政府の意思表示と言えるものだと訴えている。

 小川敏夫法相は今年1月の就任直後の会見で、「大変辛い職務だが、職責を果たしていくのが責任」と述べ、執行に積極的な考えを示していた。法相は3月、死刑のあり方について議論をしてきた省内の勉強会を、意見は出尽くしたとして打ち切っている。死刑制度の見直しには議論を必要とするが、勉強会に代わる議論の場を示すことがないまま、今回の執行に踏み切った。

 アムネスティ日本は、3月27日に「2011年の死刑判決と死刑執行」の記者会見を東京都千代田区のオフィスで行ったばかり。会見から2日後に死刑が執行されたことになる。「人を処刑しながら、他方で死刑についての議論を行うという行為は矛盾し、執行を続けながらの検討は、死刑の正当化を後押しするものになる」と危惧を表明。

 現在全世界の7割にあたる141カ国が法律上または事実上死刑を廃止している。アジア太平洋地域でも41カ国のうち28カ国が法律上または事実上死刑を廃止。3月13日には、モンゴルが「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の死刑廃止議定書に公式に加入。また韓国は08年に事実上の死刑廃止国となり、現在まで14年間死刑を廃止している。

 廃止へと進む国の多くは、世論の多数が死刑存置を支持していた。米国は死刑存置国であるが、全50州のうち16州とコロンビア特別区が死刑を廃止している。

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