全国友の会と自由学園が5泊6日のサマースクール 原発離れ自然観察・川遊び〝うれしく〟 2012年9月8日

 8月6~11日、東京都東久留米市の自由学園(矢野恭弘学園長)に、福島県を中心とした地域の22家庭64人が招かれ、サマースクールが開催された。福島第一原発事故の影響で制限のある生活をしている子どもたちに、少しでも放射能の心配のないところで過ごしてもらおうと企画されたもの。雑誌『婦人之友』の愛読者団体である全国友の会(山口和枝会長)と同学園が共催し、婦人之友社の後援で行われた。

 福島、郡山、平、那須友の会の会員を中心に、小学生24人、0歳~5歳までの乳幼児17人、母親・祖母を合わせて64人の参加者が、同学園内の清風寮(女子部中等科・高等科生の寮)に迎えられた。5泊6日の共同生活の中で、自然観察やスポーツ、川遊び、クッキー作りなどを行った。

 開校式で矢野氏は、学園でも励んでいることとして、食事時間を大切にすること、自分たちのことはできるだけ自分たちですること、初めて会った友だちとも一緒に力を合わせて仲良く学ぶこと、の三つを呼びかけた。

 地元では、放射能の心配があり、草花に触ってはいけない、砂遊びはしてはいけない、公園で遊ぶのは短時間だけ、と言われて思い切り遊ぶことができない子どもたちは、緑の多い校内で、バッタやトカゲを取ったり、砂場で遊んだり、ブランコやシーソーに乗ったりと楽しんだ。

   

 2日目には、土に触れてもらいたいと、同学園の生徒たちが育ててきたミニトマトとチンゲン菜の収穫を体験。その後、初等部の美術教師の指導のもと写生を行った。4日目には、貸し切りバスで葛西臨海公園へ遠足。5日目には、甲府友の会会員の指導により工作も行った。

 参加者からは、「川あそびでひさしぶりの外の水にふれたうれしさはいっぱいです」(小4女子)、「皆で一緒に力を合わせ協力してこの学園で過ごせたことを幸せに思い、先の見えない生活に戻った時に自然の素晴らしさ、人の繋がりの大切さを改めて考えなおす機会になりました」(小2男子母)などの感想が寄せられた。

 

 同学園からは、女子部の生徒40人、男子部・学部それぞれ約10人、教師16人が参加した。生徒たちは、子どもたち自身で生活の運営ができるようにと指導し、バイオリン、ビオラ、ピアノ、ギターなどによる演奏も披露。「子どもたちの目線で発見し、感じることが多くて新鮮だった」「震災支援に何かの形で関わりたいと思って参加した。女子部生みたいになりたい、と言われて嬉しかった」と喜びを語った。

 矢野氏は、「このサマースクールが、参加者の方々に喜んでいただき、地元で生活される上で精神的な応援になったとすれば幸いである。そして、生徒たちに素晴らしい体験をする場を与えてくださったことに心から感謝したい」と述べた。

自由学園=ジャーナリストであった羽仁吉一、もと子夫妻が1921年に創立。幼稚園から大学部まで、キリスト教精神に基づいた一貫教育を行っている。
 全国友の会=1930年に羽仁もと子を中心に設立。現在、全国各地と海外に188の友の会があり、会員数は約2万500人。

 

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