「守秘義務」打ち立てる必要 宗教法人運営実務研究協議会 2012年11月17日

 日本キリスト教連合会も参加する東京都宗教連盟(田中淳二理事長)は10月26日、「宗教法人運営実務研究協議会」を東京都大田区の日蓮宗大本山池上本門寺の朗峰会館で開催した。関係者70人が参加した。この協議会は、宗教の社会的役割を認識し、宗教法人制度のあり方、法人運営上の実務について研究を行っている。東京都生活文化局都民生活部が協賛した。

 東京都生活文化局管理法人課宗教法人係長の横尾信之氏が「最近の宗務行政について」と題し、東京都が所轄する近年の法人数の動向や、事務所備付書類の提出など実務的な事柄について解説した。さらに東京基督教大学の櫻井圀郎教授が「知っておきたい宗教と税」との主題で話した。宗教に関係する〈個人の税〉、〈非課税〉、〈課税問題〉について説明した。

 つづいて、「信教の自由と守秘義務」との主題でパネルディスカッションが行われた。パネラーは、弁護士の井堀哲、同連盟理事の山田一眞、櫻井教授の各氏。刑法第134条の「秘密漏示」について井堀弁護士が解説した。

 宗教者は人の秘密に触れる機会が多く、場合によっては自分のもっている個人情報をキープしていられるかどうか、切実な問題として参加者からも意見や質問があった。「同和問題について取りくんでいた15年前、税務署から過去帳の提示を求められた」「たとえば水子…。これは、どこの誰だとは明かせない場合が多い。その過去帳を持っていかれるのは問題だ。持って行こうとするのが税務署の職員であっても、宗教者として渡すわけにはいかない」などの体験談が上がった。

 山田理事は、どんな状況下であれ渡せない、と宗教者の守秘義務を打ち立てていくことの必要性を訴えた。

 司会をつとめた都宗連参与の廣橋隆氏は、この関連で今年5月にカトリック貝塚教会で起きた、川崎臨港警察署によるフィリピン人信徒の逮捕事件に言及した。「犯罪者であるということが明確であっても、教会内の捜査は困るのだとカトリック教会は訴えた。最近は行政による宗教無視がある。政教分離がきちんと保障されていない」

 日本キリスト教連合会のほか、都宗連に加盟する、東京都仏教連合会、東京都神社庁、東京都教派神道連合会、日本宗教連合会、新宗連東京都協議会が参加した。

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