イスラエルとパレスチナ自治区 抗争激化を国際社会が懸念 2012年12月1日

 イスラエルとパレスチナ自治区の間の抗争が激化している。

 イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ各地への空爆を続行している。作戦開始から5日目の11月18日、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」の広報を担うテレビ局2局の事務所や、イスラエルに向けロケット弾を発射する武装勢力の潜伏先と見られる北部のベイトラヒヤやベイトハヌーンの家屋が空爆の標的となった。ガザ市の沖合に展開するイスラエル艦船は、沿岸部に砲撃を繰り返した。

 民間人の犠牲が増えており、パレスチナ側の死者は同日、31人が死亡、空爆開始からでは72人に上った。うち21人が子どもで、女性数人も含まれており、負傷者は700人近くに上るという。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「ハマス」への攻撃に際しては市民の犠牲を出さないよう最大限の注意を払うと説明していた。ただ「ハマス」側の攻撃停止を条件としていた。
 
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 イスラエル政府代表団が停戦協議のため11月18日、エジプトのカイロを訪問した。エジプトのムハンマド・モルシ大統領は、「ハマス」の政治指導者ハリド・メシャル党首や「イスラム聖戦機構」の指導者ラマダン・シャラハ氏と会談した。ただエジプト大統領府の声明は、会談が何らかの結論を導くものだったかについては言及していない。

 エジプトのヒシャーム・カンディール首相は16日、パレスチナ自治区ガザに入り、同地を実効支配するイスラム原理主義組織「ハマス」の指導者イスマイル・ハニヤ首相と会談、イスラエルによる占領継続を強く批判した。14日のイスラエルによる大規模空爆開始後、ハニヤ氏が公の場に姿を見せたのは初めて。ハニヤ氏は「革命後の新しいエジプトを象徴する訪問だ」とたたえた。

 エジプト首相の訪問の目的は、イスラエルを批判しパレスチナ支持を誇示することではなく、イスラエル砲撃を停止するよう「ハマス」を説得することだったとの指摘もある。中東紛争のエスカレートや軍事衝突回避を目的としたものだ、という見方は、米国のバラク・オバマ大統領が、エジプト政府を「ハマス」との交渉における重要な仲介役と見なしていることからも出ている。オバマ大統領はモルシ大統領と対話を行っている。

 ロシアも今回の危機が先鋭化することに危惧を抱いており、両当事者に攻撃を停止するよう呼びかけている。

 国連の潘基文(パン・キムン)事務総長は18日、イスラエルと「ハマス」双方に、停戦に向けてエジプトと協力するよう呼びかけた。【CJC】

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