映画『愛について、ある土曜日の面会室』 レア・フェネール監督インタビュー 2013年1月26日

 もしも自分の愛する人が殺されたら。また自分の家族が人を殺めてしまったらどうするか。「自分には関係ない」、と思いがちな事柄に真っ向から挑んだ滋味溢れる作品が生まれた。刑務所の面会室へと向う人々の心のありようを描いた映画『愛について、ある土曜日の面会室』(シネスイッチ銀座ほか、上映中)である。

 監督は、本作がデビュー作となったフランスのレア・フェネール。弱冠28歳で撮り上げた。移動劇団の一家に生まれ、カンボジアのドキュメンタリー作家に弟子入りするなど、そのキャリアは異色だ。

 「わたしが子どものときに、学校に隣接していた刑務所の脇で泣き喚く女性がいた。彼女はつま先立ちで塀の中にいる夫に聞こえるような大声で、話しかけていた。人の視線や車の騒音、有刺鉄線、檻をも越えて、親密な愛情を交わしていた。長い間この光景が心を離れなかった」。

 こうした経験から、刑務所の面会人へのボランティア活動に従事していたこともある。「話を聞き、子どもの面倒を見たり、字が書けない人のために手紙を書いてやったり…。強烈な出会いもあったが、経験した出来事を語りたいと思うようになった」。

 フェネール監督曰く「常軌を逸した強烈な場所」という刑務所に入った人間を見捨てる人もいれば、受刑者のために自分の生活を犠牲にする人もいる。フランス社会でキリスト教が最も活躍する場は「刑務所と軍隊」と語った。

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