『ヘンリ・ナウエン』出版記念講演会 〝神の凄まじい愛〟 大塚野百合氏が訴え 2013年2月2日

 教文館キリスト教書部と聖公会出版が主催するキリスト教文化講演会が1月19日、ウェンライトホール(東京都中央区)で開催され、約120人が参加した(日本キリスト教文化協会後援)。第17回となる今回は、『ヘンリ・ナウエン――その生涯とビジョン』(聖公会出版)の出版を記念して大塚野百合氏(恵泉女学園大学名誉教授)が、「神の驚くべき愛――ヘンリ・ナウエンのメッセージ」と題して講演した。

 これまでナウエンに関する著書を執筆してきた大塚氏は、ハーバード大学で教える特権を捨て、カナダの知的ハンディを持つ人々の共同体「ラルシュ」で、主任司祭として仕え続けたその生涯を概説。数々の著作の中から、彼が問いかけた現代にも通じるメッセージを紹介した。

 特に、震災後の日本が必要としているのは、ナウエンが伝えている「神の凄まじい愛」だとし、「一人でも多くの人に、弱さや欠点を持つ私たちを、神が無条件で愛してくださることを知ってほしい」と訴えた。

 また、ナウエンが生まれながらに抱えていた同性愛的傾向にも触れ、「このような苦悩がなければ、ナウエンはナウエンになれなかったのではないか」と指摘した。

 最後に、パンと魚を群衆に分け与えたイエスの奇跡を通して「現実は深刻だが、私たちが与えられた小さな力をささげれば、神さまが用いて何倍にもしてくださる」と結んだ。

 参加者からは、「神さまからの愛に飢え、起きるのも辛い日があったが、『神は私の愛に乾いている』という発想の転換を迫られ目が覚めた」との感想も聞かれた。

 なお、次回は2月9日の午後1時半から同会場にて、「八重の桜だより――大河ドラマのウラ・オモテ」と題して本井康博氏(同志社大学神学部教授)が講演する。参加費500円。申込み、問合せは教文館キリスト教書部(℡03・3561・8448)まで。

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