ワールド・ビジョン・ジャパンが外務省に提言書 世界の貧困解決へ 15年以降の世界担う子どもの声反映 2013年2月16日

 世界の貧困の解決を目指して2000年に国連で採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」について、達成期限である2015年以降の新たな目標(ポストMDGs)についての議論が国連や各国政府によって始められている。特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ、片山信彦事務局長)は、最も弱い立場に置かれた子どもたちが直面する問題を中心に検討すべきとの考えから、2015年以降の世界を担う子どもたちの声を反映させたいと、子どもや若者と必要な取り組みについて話し合いを続けてきた。その結果を「子どもや若者からの意見」としてまとめ、WVJによる政策提言と合わせて1月28日、外務省に提出した。玉川聖学院高等部生徒会のメンバー8人も同行し、意見の集約結果を報告した。

 子どもや若者からの意見収集は、作年11月から今年1月にかけて行われた。WVJは、グローバル教育の活動の一環として派遣授業を行っており、同期間に授業の申し出があった八つの団体・学校の児童、生徒、学生477人から、ポストMDGsの今後の取り組みについて大切だと考える意見を集めた。

 方法は、①途上国の現状紹介、②現在のMDGsおよびその進捗とポストMDGsの動きを説明、③どのような目標が設定されるべきか個人またはグループで考え発表。

 なのはな幼児教室(未就学児)、フロンティアキッズ学童クラブ(小学生)、横浜女学院中学校、恵泉女学園中学校、聖学院中学校、玉川聖学院高等部、東京都立千早高等学校、大正大学で授業と意見収集が行われた。

 玉川聖学院高等部では、「世界の子どもたちに何かしたい」という生徒会の思いから、独自のアイデアで全校生徒へのアピールとパネル展示を行い、ポストMDGsの課題となる内容を投票によって集めた。

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 集約された結果は、「貧困飢餓」が26%と最も高く、貧困削減が根源的な問題であることが指摘された。次いで「乳幼児死亡率」(13%)、「環境」(12%)、「初等教育」(同)、「先進国の責任」(8%)、「HIV、マラリア、病気」(7%)、「ジェンダー」(6%)、「妊産婦」(3%)、「その他」(13%)という順になった。子どもたちからは、子どもや若者がポストMDGsの話し合いに積極的に参加する重要性を感じるという意見や、国際協力・国際協調を進めて日本人一人ひとりが協力する必要があるという意見などが挙がった。

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 これを受けて、外務省国際協力局参事官の南博氏は、「ポストMDGsは193カ国の国連加盟国の交渉で決まっていく。その過程において日本政府の立場を作っていく」と述べ、今回の報告を一つの意見として尊重。弱い立場に置かれた人々にスポットライトを当てていくというWVJの提言に対し、同感であるとの姿勢を示した。

 子どもたちの多くの意見として「先進国の責任」が挙げられたことについては、途上国も応分の責任が必要であると主張。また、「ジェンダー」を挙げた割合が女子校の横浜女学院中学校で33%なのに対し、男子校の聖学院中学校では一切挙げられていないことを指摘し、「日本の男性の中にはジェンダーに対する意識がそれほど高くないのかもしれない」と印象を語った。

 「中高生が具体的にできることは何か」との生徒からの質問に対しては、世界の開発問題に関心を持つことを挙げ、勉強すること、とりわけ英語と日本の歴史を学ぶ必要性を強調した。

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