関西学院大神学セミナー「若者とキリスト教」 教会は〝軽やかな「越境」と緩やかな「連帯」〟 「次世代型教会」のキーワード 2013年3月16日

 関西学院大学神学部(水野隆一学部長)は2月17~18日、「若者とキリスト教」をテーマに第47回神学セミナーを同大で開催した。現役の神学生を含め、卒業生ら約90人が参加。雑誌「Ministry」編集長の松谷信司氏(キリスト新聞社)が、「新世代エヴァンジェリストの憂鬱」と題して主題講演を行ったほか、同大神学部教授である浅野淳博、中道基夫の両氏がそれぞれ「経験談としての宣教学」「若者と礼拝」との題で講演した。

 松谷氏は編集者の立場から、若者や教会を取り巻く実態について、さまざまな資料をもとに分析した上で、世間で語られるイメージとのギャップや、キリスト教出版界や教会の抱える「憂鬱」とその背景について提示した。

 この間のキリスト教書ブームについては「期待と批判、注目を浴びる時勢に2千年の歴史、遺産、人材を生かさない手はない」とし、知的関心が高まる流れに「本家本元」として応答する責任があり、「もはや一企業、一教会、一教派では限界。問題意識を共有する個々人がそれぞれの場で、今できることから始めるしかない」と提起した。

 また、若者を受け入れる上で「親でも先生でもない大人がいる家庭でも学校でもない場」「異年齢、多業種、多国籍などの『他者』と出会う場」という教会特有の機能を再評価する必要があるとし、次世代型教会のキーワードとして「軽やかな『越境』と緩やかな『連帯』」「間口は広く、敷居は低く、奥行きは深く」と提唱した。

 浅野氏は、保守的宣教団体の宣教師からリベラル大学の新約聖書学者へ転身した自らの経験をもとに、教会が「境界性」を保ちつつ架け橋的集団(ソダリティ)と連携する必要性を説いた。中道氏は、ドイツの教会でも教会員の高齢化が課題となっているが、テゼの礼拝には大勢の若者が集っている実態を紹介した上で、失われた「霊性」を回復し、若者たちの言葉で信仰や神の国を再発見しようと呼びかけた。

 「若者とキリスト教」のテーマに基づき、神学研究科院生会による発表も行われ、神学部に在籍する学生たちが教会に抱いているイメージや、教会に通う学生が何に魅力を感じているかについても紹介。同研究科で学ぶ中野祐成氏(ブレッシング・チャーチ・インターナショナル牧師)からは、若者に特化した教会形成についての実践も報告された。

 セミナーの最後には中道氏の司式で閉会礼拝が行われ、中野氏の教会で活動するバンドが、「讃美歌21」の曲をボサノヴァ調やソフトロックにアレンジして歌うという試みも披露された。

 セミナーの内容は、キリスト新聞社から『神学部ブックレット』として出版される予定。

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