傷つけられた世界癒す 司教団メッセージ活用 イエズス会社会司牧センターがシンポ 2013年3月23日

 3月9日、シンポジウム「傷つけられた世界を癒すために カトリック司教団『脱原発メッセージ』を活かすには?」がカトリック麹町教会信徒会館ヨセフホール(東京・千代田区)で開催された。東日本大震災2周年を記念したもの。カトリック司教団は2011年に「いますぐ原発の廃止を」というメッセージを発表している。この司教団による脱原発メッセージをどのように活かし、今後に役立てるべきか――。イエズス会社会司牧センター(光延一郎所長)が主催した。

 光延所長の司会の下、牛山泉(足利工業大学学長)、梶山義夫(イエズス会日本管区長)、熱海紀子(福島市、コングレガシオン・ド・ノートルダム修道女会員)、英隆一朗(イエズス会)の各氏が発表した。

 牛山氏は、「再生可能エネルギーの見通し」と題して語った。日本の自然エネルギーのポテンシャルに言及した上で、「アジアスーパーグリッド構想」を紹介。「技術は簡単だが、大事なことは、愛情や信頼だ。中国など近隣国と真に仲良くできていたら、このような構想はすぐにできる」。また内村鑑三の『デンマルク国の話』を例に、「戦争の原因はエネルギーの奪い合い。内に目を向ければ、何も外に出て行くことはない。信仰と英知をもって、エネルギーを栽培していくことだ。そうしなければ、持続可能な社会は来ないだろう」。

 英神父は、福島の原発事故の問題に関しては、意見の分断が常に表れて、分かち合いができていないことをまず指摘した。「エコロジーの問題は、貧困の問題でもある。貧しい人がどれだけ傷つけられているか、という地域格差でもある」と語った。

 そして、いま求められていることは、和解、悔い改めと改心であると訴え、「あまりに傷ついている人が、悔い改めるのは不可能。電力を享受する都会で暮らす富のある人が悔い改めるべきだ」とも付け加えた。

 司教団が発表したメッセージについては、「賛成ではあるが、悔い改めが少ない。何を間違ったのか、神さまがわたしたちに求めているものは何か。貧しい人や苦しんでいる人を通して考える必要がある」と指摘。 

 さらに英神父は、牛山氏が発表の中で「アジアスーパーグリッド構想」に触れたことを受け、「国土は狭い日本であるが、エネルギー消費量は世界第5位。ライフスタイルとの関係から再生可能エネルギーを『改心』とセットで考えていかなければならないと思う」と述べた。

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