アジア・カルヴァン学会と日本カルヴァン研究会 「創造論」テーマに合同講演会 2013年4月13日

 「カルヴァンと創造論――神と自然について」と題して、アジア・カルヴァン学会と日本カルヴァン研究会による合同講演会が3月11日、立教大学(東京都豊島区)で開催された=写真。研究者や神学生など約20人が参加した。

 田上雅徳氏(慶應義塾大学教授)の司会のもと、芳賀力氏(東京神学大学教授)と野村信氏(東北学院大学教授)がそれぞれ、「カルヴァンの創造論の歴史的意義」「モーセの異邦人伝道――カルヴァンの創世記理解」と題して講演。関口康氏(日本キリスト改革派教会牧師)が「ファン・ルーラーの三位一体論的神学における創造論の意義」と題する研究発表を行った。

 芳賀氏は、科学史家の下村寅太郎や神学者のアリスター・マクグラスの文献を引用しながら、「科学と宗教の対立というステレオタイプの図式から解放されて、カルヴァン自身の著作を虚心坦懐に読めば、カルヴァンが自然の科学的探究を積極的に奨励した人物であることが分かる」と指摘。カルヴァンの創造論が自然科学の進展の阻害要因となったのではなく、促進剤となったのだと論じた。

 その上で、「カルヴィニストたちは世界からの撤退者になったのではなく、むしろ近代世界の形成と変革の担い手となった」と述べ、カルヴァンの霊性の特質を解説。「カルヴァンの中にあった被造世界の肯定という萌芽はやがて一般恩恵論という形で大規模に開花することになる」と述べた。

 そして、その担い手の1人、オランダの神学者アブラハム・カイパーに着目。カイパーがカルヴァンの一般恩恵論に注目し、そこに自然科学を肯定し推奨する根拠を見出したことを論じた。

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 アジア・カルヴァン学会は、渡辺信夫氏と韓哲河氏らによってアジア地域でのカルヴァン研究の興隆と相互交流を願って1987年に作られた国際学会。奇数年に韓国、台湾、日本の順に学会を開催している。日本では、アジア・カルヴァン学会日本支部を97年に立ち上げ、毎年講演会を開催。日本支部代表は野村氏。

 日本カルヴァン研究会は、出村彰氏を会長にカルヴァン研究を志す人々によって91年に設立された学会。毎年6月に例会を開催している。06年より野村氏が会長。

 現在、両学会については、合同して「日本カルヴァン学会」の名称を冠することが期待されているが、まだ実現に至っていない。この意図のもとに、今後は合同の講演会を毎年3月に開催する予定。

 

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