第22回実践神学の会 WCC釜山総会への貢献討議 2013年4月20日

 第22回実践神学の会(事務局・関西学院大学神学部補佐室内)が3月21日、日基教団渋谷教会(東京都渋谷区)で行われた。牧師や信徒ら約20人が参加した。今回は、今年10月末から韓国の釜山で開かれる世界教会協議会(WCC)第10回総会を主題とし、同総会におけるエキュメニカルな諸課題を共有しつつ、日本の教会としてどのような貢献ができるかを討議した。

 夕食を挟む2回のセッションで発題したのは、山本俊正(関西学院大学教授)、松田和憲(関東学院大学教授)、神田健次(関西学院大学教授)、西原廉太(立教大学教授)の各氏。それぞれが専門とする「正義と平和」「宣教と伝道」「信仰と職制」の各領域について、過去の総会における位置づけと課題を提示した。

 山本氏はWCCを構成する「都市農村宣教(URM)」や、「生活と実践運動」から発展した「人種差別主義とたたかうプログラム(PCR)」の果たした役割を概観しながら、今日の「正義と平和」をめぐっては「原発問題にはやや腰が引けている印象。預言者的な働きを全教会にどう照射するのかが大きな課題」と指摘。

 「総会全体の内容的概要」と題して発言した西原氏は、中央委員を務める立場から、今総会の意義と議論される主要課題などについて解説した。

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 WCCは、第二次大戦に対する教会の無力感と罪責の告白を背景として1948年に創立され、6~8年ごとに総会を開催している。今総会は主題「いのちの神よ、私たちを正義と平和に導いてください」のもと、全349加盟教会から825名の代議員と各教派・団体などからのゲストが集う。

 準備委員の1人である関田寛雄氏(日基教団神奈川教区巡回教師)は、「9・11を機に、貧困と差別が続く限りテロリズムはなくならないことを思い知らされた。今日の宗教間対話は具体的な『倫理的課題』をコンテキストにしない限り、空回りするのではないか。日本の文脈でいえば部落差別と天皇制の問題は避けられない」とコメントした。

 実践神学の会は、森野善右衛門氏(東北学院大学名誉教授)、深田未来生氏(同志社大学名誉教授)らも準備委員として名を連ね、毎年テーマを定めて定例の研究会を開催している。

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