東京で「横田めぐみ写真展」 〝神さまは必ず道を開いてくださる〟 早紀江さん「北朝鮮の平和信じて祈る」 2013年4月27日

 北朝鮮による拉致被害者の横田めぐみさん(失踪当時13)が家族と過ごした13年間を振り返る「横田めぐみ写真展」が4月12日、東京・お茶の水クリスチャンセンターで始まった。主催は母・早紀江さんの友人らを中心とした祈りの支援グループ「横田早紀江さんを囲む祈り会」、「全国ブルーリボンの祈り会」、そしていのちのことば社からなる同実行委員会。オープニングセレモニーには早紀江さんと父・滋さんが出席、日本人拉致被害者を救出する団体のシンボルであるブルーリボンにちなんで、青いリボンでテープカットを行った。

 セレモニーでは、早紀江さんが詞を書き、ゴスペルシンガーの岩渕まことさんが作曲をした「コスモスのように」をまことさん、由美子さん夫妻が演奏した。滋さんは「昨年の11月15日でめぐみがいなくなってから満35年。めぐみは特別利口な子とかかわいい子というわけではない、そういう平凡な子が自分の意志に反して連れて行かれたというのは他の誰にも起こりうること。こういうことがあるんだということを知ってもらうことが政府を動かす大きな力になります」と挨拶した。

 「写真を見るとどれも昨日のことのように、香りまで思い出されます」と早紀江さん。展示されているのは、めぐみさんと家族や友人との写真40点、他に直筆の手紙や報道記事パネルなど20点。めぐみさんに双子の弟が生まれた時の写真について、滋さんは「周りの友人に弟や妹がいたことから、幼稚園の帰りに近くの神社で赤ちゃんをくださいと拝んでいたので、弟たちが生まれた時には大喜びで楽しそうに世話をしていた」と笑顔で振り返った。早紀江さんも「みぃちゃん(めぐみさんの愛称)のところに赤ちゃんが2人も来たんだよ、と叫びながら庭を走り回っていたと聞きました。私が病院から帰って来た時の舌を出して満足そうにしていた表情を今でも思い出します。家族みんながそろって嬉しかったんでしょうね」と思い出を語った。

 北朝鮮によるミサイル発射の動きや混乱について、滋さんは政府への思いとして「核やミサイルとは切り離して交渉して欲しい」と述べた。早紀江さんは「今の状況は、わたしたちにとっては子どもの命が失われるか、無事に帰って来られるかという問題。東日本大震災の時のように、自然の中でも突然誰かが連れ去られてしまうことがある。神さまは北朝鮮にとってもよいように、平和な国になって欲しいと思っているに違いないので、信じて祈っています」と話し、金正恩氏に伝えたいメッセージとして「同じように家族があるのだから、どんな人にも親としての気持ちがあるということを理解して欲しい。わたしたちはただ返して欲しいと言っているだけ」と語気を強めた。

 展示には聖句の引用もあり、「聖書全部が大事なみことば」と語る早紀江さんが今日まで支えられた箇所からヨブ記1章21節ほか3箇所を選んだ。写真展を通りがかりで知って訪れたという女性は、普段教会とは関わりがないが「聖書の言葉の力強さ、人を支える言葉だと感じた」と感想を話した。

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 拉致被害者問題には教界でもさまざまな反応があったことについての本紙の取材に対して、早紀江さんは、「わたしの教会では、初めから牧師が多くの署名を集めてくださって、協力的で違和感を感じたことはありませんでしたが、この問題に心から関心を持って取り組んでくださる方と、政治問題には関わりたくないという立場で祈っていますよとだけおっしゃる方といました。今はどういう人がいるか分かりませんが、わたしは気にしていません。それも神さまがちゃんと選んでくださると思います」と力強く答えた。これまで写真展を訪れた人々は30万人を突破した。「写真はたまたまめぐみの写真ですが、自分の子どもだったらと思って見て下さる方が多い」。「神さまを信じてきて感謝しかない。わたしたちがああして欲しい、こうして欲しいと言う以上によくご存じの方。必ず道を開いていてくださると思っていますので、皆さま方も一緒に祈ってください」と読者へのメッセージを語った。

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 開催は29日まで。会場の内外で被害者全員の早期救出を求める署名活動も行っている。あと約13万筆で目標の1千万筆を達成するという。

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