死刑めぐる統計発表 イラクで急増、世界では減少 アムネスティ・インターナショナル 2013年4月27日

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは4月10日、2012年の死刑をめぐる世界の状況について統計を発表した。11日、衆議院議員会館で記者説明会が行われた。若林秀樹氏(アムネスティ日本事務局長)、ロザーン・ライフ氏(アムネスティ・インターナショナル東アジア部部長)がスピーカーとして出席した。

 数カ国で多少の後退はあったが、世界的には廃止の潮流が継続している。これまで一定期間死刑執行がなかったインド、日本、パキスタン、ガンビアで死刑が執行された。またイラクでは、死刑執行が急増した。11年には68人であったが、そのほぼ2倍の129人が少なくとも処刑された。

 しかし死刑の適用は、特定の国に限定されており、廃止に向けて世界全域で進展がみられる。

 12年に死刑執行が確認されたのは21カ国。前年と変わらないが、10年前の03年の28カ国からは着実に減少している。

 12年、全世界では少なくとも682人の死刑執行が確認された。前年より2人増加している。死刑判決は58カ国で少なくとも1722件の言い渡しがあったことが確認されている。前年は63カ国、1923件だった。

 しかしこの統計には、数千人に上るとされる中国での死刑執行数は含まれていない。中国では、死刑執行数を国家機密にしているため、アムネスティは09年の報告以来、推定数値の公表を止めている。

 G8の中では日本と米国だけが死刑執行国だが、12年、米国で実際に行われた死刑執行は南部に集中し、死刑制度が残っているほとんどの州では執行されていない。

 ライフ氏は、「国による殺人で、残酷で非人道的な死刑を温存しているということは、世界の潮流から完全に取り残されてしまうということだ」と強調した。

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