第19回エキュメニカル功労賞 日本福音ルーテル社団が受賞 〝キリストの愛もって人々に仕える〟 2013年5月18日

 日本エキュメニカル協会(JEA、松山與志雄理事長)は4月29日、日本福音ルーテル東京池袋教会(東京都豊島区)で「エキュメニズムの日」の集いを開催し、エキュメニカル功労賞の顕彰式を行った。19回目となる今年は、一般社団法人日本福音ルーテル社団(JELA、中川浩之理事長)が選ばれた。

 JELAは1909年、「在日本アメリカ南部福音ルーテル教会ユナイテッド・シノッド宣教師社団」として設立された。41年に現在の名称に変更。「キリストの愛をもって、日本と世界の助けを必要とする人びとに仕えること」を使命とし、教育・社会福祉・宣教の三つの分野で事業を推進してきた。現在は、在日難民支援、海外子ども支援、ボランティア派遣、国際青年交流奨学金の支給などを行っている。

 活動の一つ「リラ・プレカリア」(祈りのたて琴)は、病気や苦しみを持つ人々に、ハープと歌を通して祈りを届ける奉仕者を育成・派遣するプログラム。キャロル・サック氏(米国福音ルーテル教会宣教師)によって発案されたもので、ルーテル学院大学と、同大学人間成長とカウンセリング研究所の協力を得て2006年度より講座を開始。教派・教団を問わず、広く受講生や奉仕先を募っている。これまでの受講生は20人。

 サック氏は、娘の病気を通して音楽と祈りの力に気づき、米国で音楽死生学を学んだ。03年から台東区のホスピス「きぼうのいえ」で音楽による看取りのケアを始め、そのようすは映画『おとうと』(山田洋次監督)でも取り上げられた。「日本人に教えてほしい」とのJELAからの依頼を受け、「パストラル・ハープ」の講師を始めた。

 同社団のこれらの活動を総合して、「エキュメニカル運動に多大な貢献をしたこと」が評価された。

 JELAの活動について講演を行った同社団常務理事の長尾博吉氏(日本福音ルーテル教会引退牧師)=写真上=は、「当社団の活動を通して、さらに日本における諸教会がその違いを超えて、一致できるところで一致し、再び聖霊の導きによって一つとなる日が到来することを祈り求めてやまない」と語った。

 JELA理事長の中川氏=写真左=は、「このたびは思いがけなく、日本エキュメニカル協会よりエキュメニカル功労団体に選ばれ、誠に名誉な事と関係者の皆様に感謝を申し上げます。これからもルーテルの名にこだわらず、広くキリストの愛をもって世界の助けを必要とする人々に仕える活動を通して、エキュメニカルな働きに貢献していきたいと思います」と本紙にコメントを寄せた。

【メモ】
 日本エキュメニカル協会=エキュメニズムの研究を主とする団体。1969年発足。4月29日を「エキュメニズムの日」と制定し、公開研究会の開催、「エキュメニズム情報」の発行、エキュメニカル功労者・団体の表彰などの活動を行っている。現在の会員は約100人。

 

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