〝首都圏地震に備え、教会でも防災意識を〟 クラッシュジャパン 東北支援活動を総括 2013年5月25日

 災害支援団体として東日本大震災の発生直後から東北緊急支援活動を展開してきた一般社団法人クラッシュジャパン(東京都東久留米市、ジョナサン・ウィルソン代表)が5月10日、同所で2年間の活動の総括を行った。

 クラッシュジャパンは震災直後から緊急支援活動として支援物資の配布やボランティアの派遣などを行ってきた。遠野、一関、仙台、日立、那須の5カ所にベースを、郡山、いわきの2カ所にオフィスを設置。牧師ケア、子どもケア、地域支援、アート&スポーツ、メディア、被災者支援の六つのカテゴリーに分けてプログラム支援を行った。

 仮設住宅での交わりと心のケアを目的とした「モバイルカフェ」、工芸教室や英会話教室、説教支援、家屋修繕などが含まれる。

 被災した子どものためのトラウマケア・プログラム「オペレーション・セイフ」は、米国の教会で用いられている子ども向けプログラム「バケーション・バイブル・スクール」を土台にした5日間のプログラム。38カ所で約600人の子どもたちに提供された。

           

 昨年からはベースと支援活動を地元の教会や団体に引き継ぎ、現地の活動を支える立場に切り替え、今年3月までに44のプログラムのほとんどを引き継いだ。2年間で集まった献金は4380万円におよび、3千人以上のボランティアを派遣してきた。今後もボランティアの募集と派遣、プログラムのサポートを継続していく予定だが、首都直下型地震が予測される中で、今年度は防災活動に力を入れる。

 今年2月には、東日本大震災救援キリスト者連絡会(DRCnet)が主催する「災害対応チャプレン養成コース第1回研修会」を、日本福音同盟(JEA)援助協力委員会、救世軍と協力して開催した。被災者、災害対応者、復興に携わる人々に心のケア・スピリチュアルケアを提供することを目標としている。

 ウィルソン氏=写真=は、同団体の一番の目的として「地域教会を応援したい」と述べ、教会が地域社会の中で信頼関係を築いていくことが必要だと強調。また、災害が起きた時に、被災地以外の「グローバルチャーチ」が、被災地の「ローカルチャーチ」を支援できる体制が必要だとし、両者の間に入るのが同団体の役割だと語った。

 「オペレーション・セイフ」リーダーのウィルソン利恵氏は、同プログラムが教会の日曜学校で用いられている例を紹介。「家族の中でもトラウマを受けている子どもたちがたくさんいるので、教会でも用いていただきたい」と述べ、国内外問わずプログラムを紹介していきたいと語った。

 「東京大震災ブログ」(http://www.tokyodisaster.blogspot.jp/)で情報を発信している次期東京災害対策担当の栗原一芳氏は、「防災や危機管理は学校や行政だけでなく、教会でも当たり前のこととして取り入れていかないといけない」と強調。阪神・淡路大震災で死亡した8割が、建物の倒壊などによる圧迫死であったとし、耐震化や家具の固定が十分であれば死ななくてもよかったかもしれないと述べた。

 「被災者のほとんどがノンクリスチャンの日本では、災害を生き抜いていただくことが非常に大事。災害で生き抜かないと魂が救われるチャンスがない」とし、防災の働きは〝プレ宣教〟だと主張。防災の意識を高め、防災ネットワークを作る必要性を強調した。

【メモ】
 クラッシュジャパン=単立グレイス・クリスチャン・フェローシップ(東京都青梅市)の牧師であるジョナサン・ウィルソン氏が設立。2004年の新潟県中越地震の際、2トントラックに救援物資を載せて支援に向かったことが始まり。災害に効果的に対処できるよう教会や団体を訓練し、災害時にボランティアを派遣している。「その地に遣わされている地域教会を通して、必要な人々に助けと希望を分かち合うこと」を使命とする。11年8月に一般社団法人格を取得。

社会・教育一覧ページへ

社会・教育の最新記事一覧

TO TOP