アフリカ人スタッフをコンゴへ派遣 地元に根ざした支援に貢献 日本国際飢餓対策機構「ハンガーゼロ」 2013年6月8日

 日本国際飢餓対策機構(岩橋竜介理事長)のスタッフであるジェローム・カセバさん(34)=写真右端=が今月17日、自らが生まれ育ったアフリカの地で、コンゴ民主共和国駐在西アフリカ担当として働くために派遣される。ジェロームさんは2004年、観光目的で来日したことを機に留学。国際基督教大学で学びながら、昨年8月からは同機構のスタッフとして働いてきた。

 広報の鶴浦弘敏さんは「アフリカの支援には、アフリカ人のスタッフが関わることが大事。ジェロームさん自身も飢餓の経験があり、地元に根ざした支援に貢献できるはず」と期待を寄せる。

 コンゴの人口は6千780万人。内政は10年前と比べてやや改善しているものの、依然アフリカの中でも最貧国。コンゴ東部で1998年から続く内戦の影響により国内難民が推定220万人に上り、犠牲者は500万人を超えた。

 飢餓の要因は戦争だけではない。兵士による性的暴行、それに伴う離婚、ストリートチルドレンや少年兵の増大など、問題は根深い。さらに、貧しさの原因を娘に転嫁して家から追い出すという悪魔信仰も追い打ちをかける。

 国民の90%は1日1食。それもごくわずかなウガリや料理用バナナなど。金や銀、ダイヤモンド、ニッケルなど、資源は豊富だが、一部の有力者が富を占有している。

 ジェロームさんは今年3月末、コンゴの教会、老人ホームや地方の学校・孤児院、ストリートチルドレンのための施設などを訪問し、支援グループのリーダーや政府高官と話し合う機会を得た。

 鉱山の町であるルブンバシで136人もの国内難民が、過酷な環境で暮らしているのも目の当たりにした。そのおよそ4割が子どもで、何も敷かない床で眠っている。地域の自治体からは何の援助もないという。

 こうした問題の解決には、新しい形のアプローチが必要だとジェロームさんは考える。とりわけ、コミュニティーの問題に前向きに取り組み、貧しい中でも希望を見出すためにリーダーシップを発揮する教会の役割は大きいという。

 コンゴでは、カトリックとプロテスタント合わせて8割がキリスト者。ジェロームさんの父は、現地教会の牧師として代表的な役割を担っている。

 ジェロームさんは、「コンゴの紛争状態が終結し、人々が平和に過ごせるようお祈りください。地域の教会が国内難民に食料、清潔な水、そして眠る場所を提供できるようご支援ください」と訴える。

 同機構が提唱する「ハンガーゼロ・アフリカ」では、地域のリーダーを対象にVOCセミナー(共同体のビジョン研修)を行い、現地の人々が主体的に問題解決に歩み出せるよう支援している。1口1千円(月毎)から協力できるサポーターを募集中。問合せは同機構(℡072・920・2225)まで。

【メモ】
 ハンガーゼロ・アフリカ=すべての人々が手を取り合い、飢餓のない美しい世界「ハンガーゼロ」を実現することを目標に、日本国際飢餓対策機構が展開する活動。飢餓・貧困と闘いながら懸命に生きようとする人々と協力し、世界にある物心両面の飢餓撲滅に取り組んでいる。これまで、ニジェール、スーダン、エチオピア、ジンバブエ、ザンビア、ケニア、ルワンダの支援に貢献してきた。

(写真)国際飢餓対策機構

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