「狭山事件」から50年 石川さんの再審求め宗教者集う 2013年6月8日

 狭山市で女子高校生が殺害された「狭山事件」から50年を迎え、無期懲役が確定した石川一雄さん(74)=仮釈放中=の無実を訴え、再審を求める集会が、各地で開催されている。

 「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議(同宗連)は5月22日、「石川夫妻の幸せを願う宗教者の集い」を東京都中央区の築地本願寺で開催した。同宗連はこれまで、現地調査や裁判所への要請行動に取り組んできたが、宗派を越えて宗教者が一堂に会する催しは初の試み。キリスト教、仏教、神道などの関係者ら約300人が参加した。

 会場では、今年秋の公開に向けて制作中の金聖雄監督によるドキュメンタリー映画「見えない手錠をはずすまで」の予告編を上映。同宗連の30年にわたる支援を振り返り、「われら宗教者は、……厳しい日々を生きている石川夫妻の痛みにこそ、幸多かれと祈り、願う者です」「宗教者は部落差別を許しません。部落差別に基づく冤罪を決して容認しません」と誓う「集会宣言」が読み上げられた後、仏教、神道、キリスト教の各宗派グループによるメッセージが披露された。

 キリスト教を代表してメッセージを語った亀岡顕氏(日基教団エパタ教会牧師)は、「50年を経て、警察、検察、裁判所はいくらかでも変革されたのか。石川さんの闘いは、そのことを私たちに問うている」と訴えた。参加したキリスト者たちは賛美歌「勝利をのぞみ」を歌った。

 妻の早智子さんと登壇した一雄さんは、これまでの支援に謝意を表し、「無知無学の恐ろしさを実感してきた。50年という節目は関係ない。何としても、真相究明のために再審を実現させたい」と決意を述べた。

 「集い」の終了後、参加者はそれぞれの宗教に準じた祭服などに身を包み、日比谷公園までのコースを行進。「狭山事件」の再審開始と冤罪の撲滅を訴えた。

【メモ】
 狭山事件=1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生が行方不明になり、脅迫状がとどけられた事件で、被差別部落への見込み捜査で石川一雄さん(当時24歳)を別件逮捕。1カ月にわたり留置場で取り調べ、自白させた。一審は死刑、二審では無期懲役判決が確定。石川さんは再審請求を申し立てたが第一次再審請求は事実調べもなく棄却。1986年8月に第二次再審請求を東京高裁に申し立てたが、99年に再審請求を棄却。2006年に第三次再審請求後、09年から三者協議が開かれ、2回目の協議で裁判長が証拠開示を勧告。10年の三者協議で東京高検が開示勧告を受けた8項目のうち、石川さんが「自白」した捜査段階の取り調べ録音テープなど36点の証拠を開示し、再審へ前進した。

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