ルーテル・カトリック共同文書 LWF理事・浅野直樹氏が ジュネーブでの理事会報告 2013年7月13日

 ルーテル世界連盟(LWF)とローマ・カトリック教会が6月17日、宗教改革500年記念に向けて共同文書「対決から交わりへ(From Conflict to Communion)」を発表した(7月6日付既報)。ジュネーブでの会見に参加していたLWF理事の浅野直樹氏(日本福音ルーテル市ヶ谷教会牧師)に現地の事情を伝えてもらった。

 両教会は長年にわたり世界的レベルでのエキュメニズム対話を続けており、宗教改革から500年を迎える2017年は対話委員会にとっても50年という記念の年でもある。

 文書は6月17日、LWF理事会の全体会議の中で発表された。

 最初に、ルーテル側から共同対話委員会委員長のイーロ・フービネン監督が文書完成の喜びを表明した。両教会の関係を結婚にたとえて、対立から離婚へと至った夫婦がその後再会し、数多くの共通点があることにお互いが気づき、夫婦として再出発するイメージを引き合いに出して、宗教改革500年をエキュメニズムの精神で両教会が記念すべきこととして期待したい、と語った。

 続いて教皇庁キリスト教一致推進評議会(PCPCU)議長のクルト・コッホ枢機卿がカトリック教会を代表してあいさつ=写真=。両教会が500年記念行事として同文書を発刊した意義について触れ、この文書が今後のさらなる対話にとって大きな意味をもつであろうこと、そして宗教改革史上起きた対立に真摯に向き合う勇気をもちながら、両教会の共通点を再発見していく作業の重要性について強調した。

 最後にLWF議長のムニブ・ユナン監督が登壇し、宗教改革における歴史上の難題を見過ごすことなく明らかにして、二つの教会が今後の関係を世界的にもさらに深めて、共に神の宣教を担っていくことを期待したいと述べた。

 また、ユナン監督は、自身の出身地エルサレムのように緊張関係にある教会にとって、この文書が状況改善への重要な資料にもなるであろうと指摘するとともに、これが世界に広がる個々のルーテル教会にとっても有用であると語った。

 理事会席上での発表の後、会場を移して報道陣向けに記者会見が行われ、委員会は、本文書を教団レベルだけでなく各個教会レベルでも世界各国で学んでほしいと訴えた。さらに書かれた内容をただ単にそのまま受容するだけではなく、批判的にも学習してもらいたいと呼びかけた。

 編纂にあたった共同委員会は、ルーテルから10人、カトリックから10人の委員で構成されている。

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