10代を信仰へ 日本キリスト教団出版局がセミナー 2013年7月27日

〝洗礼・堅信目指す準備教育を〟
〝世代超えた信徒の交わり作る〟

 教会員の子どもや教会学校の生徒たちをどのように信仰へと導いたらよいのか――日本キリスト教団出版局発行の『10代と歩む洗礼・堅信への道』=写真=を用いた「10代を信仰へと導くためのセミナー」が6月29日、日本キリスト教会館(東京都新宿区)を会場に、同出版局の主催で開かれた。教会学校教師や教会役員など約60人が参加した。

 同書の監修者である朴憲郁(東京神学大学教授、日基教団千歳船橋教会牧師)、平野克己(同代田教会牧師)の両氏が講師を務め、参加者が同書を用いたセッションを体験した。

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 「なぜ、子どもたちに洗礼・堅信を?」と題して講演した朴氏は、青少年を洗礼・堅信へと導くための取り組みが、欧米と比べて日本の諸教会では少ないことを示した。

 教会学校で学び育った子どもたちが、洗礼・堅信礼準備教育へと接続して信仰を告白し、受洗して教会メンバーに加わる例が少なくなっていることも指摘。また、受洗後の教会離れによるクリスチャンライフ短命傾向を問題視し、受洗後の信仰的導きと配慮とともに、それに先立つ洗礼・堅信を目指す準備教育の重要性を強調した。

 子どもたちが教会から離反する要因としては、塾やクラブ活動などの外的要因とは別に、教会の「信仰を伝承する意識の欠如」を指摘。聖礼典が執行される礼拝に、教会学校の生徒を一緒に出席させることを提案し、その2週間前から聖餐式や洗礼について分級でオリエンテーションを行うことを実例として紹介した。

 そして、牧師がカテキスト(教理問答教師)になるだけでなく、役員・教会学校の教師・信徒の中からカテキストを育成し、役員会の選任で、洗礼・堅信準備教育に当たらせることを提唱した。

           

 平野氏が講師を務めたワークショップでは、参加者がペアを作り、カテキスト役と志願者役に分かれて自己紹介やインタビュー、聖書についての話し合いなど、セッションを行った。

 平野氏は、プログラムの特徴として、「10代前半の子どもたちに洗礼・堅信を」「子どもたちは、すでに教会の中で育ち、そのことによって神の恵みを与えられている」「子どもたちの信仰を導き育てることは、教会全体の務めである」という3点を提示。従来の考え方とは対照的に、洗礼は、多様な価値観にふれる前に受けるものであり、「神さまが選んで与えてくださる」ものだと強調した。

 また、「教会生活の中に、信仰の筋道(教理)がすでに生きている」とし、信仰の知識に重点を置くのではなく、信仰を生きている「キリストの証人」を知ることが大切だと述べた。

 そして、これまで牧師の務めであった洗礼指導をカテキストが担うことで、「世代を超えた信徒の交わりを作っていきたい」と、プログラムの目的を語った。

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