カトリック習志野教会 平和旬間講演会に永山巌氏 〝被爆者は世界に発言を〟 2013年9月7日

 カトリック習志野教会(千葉市花見川区)は8月10日、「広島被爆者からの『平和アピール』」と題する平和旬間の講演会を同教会信徒ホールで催した。被爆当時2歳だった、同教会員の永山巌氏(70歳)が、原爆被爆の実態や平和憲法などに対する想いを語った。

 原爆投下の日、爆心地から2・9㌔地点の自宅にいた同氏は、母と妹とともに被爆。5歳以下で被爆した人を「若い被爆者」と称することを説明。「若い被爆者」にとっては自身が見聞きした当時の様子を話すことは難しい。しかし同氏は「昭和20年の記憶が四つある」と述べ、原爆投下の瞬間に「トイレにしゃがんでいた」こと、その時壁が落ちてきたことの衝撃や、「おふくろの背中に飛びついた」ことなどを具体的に挙げた。

 同氏は05年に肝臓がんが見つかり手術。その後「原爆症患者」に認定された。08年から本格的に語り部としての活動を開始し、現在は、千葉県原爆被爆者友愛会の「被爆の語り伝え研究会」メンバーとして活躍している。

 同氏は、世界の恒久平和は努力して作っていくものである、と強調し、「一番発言権があるのは被爆者だと思っている。被爆者が率先し、勇気をもって世界に発言していくことが、わたしたちに課せられた責任だと思う」。

 しかし敗戦後68年が経過し、語り部となる被爆者が減少する一方であることから、「『若い被爆者』は立ち上がって語り部として叫ばなくては。被爆国日本こそ、平和の使者にならなくてはならない」と訴えた。

 同氏は昨年9月、外務省が新たに設けた「非核特使」に任じられ、ほかの被爆者3人と共に核保有国であるイスラエルに派遣された。同国で初めての原爆「語り部」を行った。

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