第42回更新伝道会大会 相良昌彦氏「見知らぬ誰かと手つなぎ合う」 柳聖俊氏「正しい教会観と教会哲学が大切」 2013年9月14日

 更新伝道会(大村栄会長)は、「世界のメソジストに学ぶ――グローバルな視点から」と題して第42回大会を8月26~27日、青山学院大学(東京都渋谷区)で開催した。約150人が参加した。

 1日目には、相良昌彦氏(青山学院高等部宗教主任)が、「一日本語教会の礼拝を通して見た『メソジスト教会の4本柱』Quadrilateral」 現代に置かれるメソジスト教会の宣教の歩み」と題して講演した。

 同氏は、日基教団派遣宣教師として米ニューヨークのユニオン日本語教会の牧師を務めた経験から、同教会が属する合同メソジスト教会(UMC)の特徴を紹介。その四つの中心課題(「教会と社会の力となるクリスチャンリーダーの育成」「教会の新生と新たな信仰共同体の生成」「主の使命への派遣。貧しい者と共に」「病としての貧困の根絶。すべての社会における健康の回復」)を示し、「この兄弟教会が持っている宣教の課題を、わたしたちの生活の中心に据えることができるだろうか。青山学院はそのために建てられているということを本当に公にすることができるだろうか。その歩みをもう一度見つめ直さなければならない」と話した。

 また、「聖書」「伝統」「理性」「経験」というUMCの4本柱を提示し、メソジストの特徴を解説。その上で、「わたしたち一人ひとりが教会生活を確かに歩む、堅実にみ言葉に立って神と人を愛することに真摯であれば、わたしたちが神と近づくことを通して、まだ見知らぬ誰かと手をつなぎ合うことができる。これがインターナショナルではなくグローバルということ」と主張。「インターナショナルは国と国との平面的な関係。グローバルは中心がないとグローバルとは言えない」とし、「その中心は、ウェスレーが言うように、み言葉を中心とした主なる神の愛だ」と語った。

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 2日目には、韓国から柳聖俊●ユソンチュン●氏(協成大学校教授、チャプレン)が「メソジスト更新のためのまことのリーダーシップ」と題して、主題講演を行った。柳氏は23年間米国で牧会した経験をもつ。

 現代キリスト教が深刻な危機と挑戦の中に置かれていることを述べ、何よりも一番の問題は「牧会者のアイデンティティが危機であること」と述べ、エフェソ4章11~12節を読み上げた。

 柳氏は、「その共同体が、イエスが語り、そして見せてくれた『神の国の価値観』以上に、この世的な価値観や文化に毒されてしまっている点」が根源にあることを強調。そうした時代に生きるメソジスト共同体が「まことの共同体となり、リーダーたちがまことのリーダー」となるためには、「聖書が指し示す正しい教会の模型に見習う必要がある」と主張した。

 柳氏は、韓国教会ではいわゆる「メガチャーチ」が増えているという。多くの韓国教会がメガチャーチの牧会観や牧会戦略を流行のように、自分たちの牧会状況にそのまま適応しようとするのは無理があると指摘し、「教会の本質に対する省察よりも成長イデオロギーに集中することで、韓国教会の立場を失う結果になった」。

 「神の御心のままに生きるといっても、教会の多くがこの世的な流行にのっかっている」と何度も警鐘を鳴らす柳氏。牧師が流行に乗っている例として、米国サドルバック教会を挙げた。「正しい教会観と教会哲学が大切だ。そして集まってくる信徒もそれぞれ違うのだから、牧会戦略も必要だ」。

 正しいキリスト教共同体観、聖書的な共同体モデル、教会史を通してみた共同体運動についても解説した。

【メモ】
 更新伝道会=日基教団の信仰告白を堅持し、ウェスレーの信仰の精神を継承、活かし、メソジズムの研修・普及・実践を志す団体。1972年以降、毎年夏に開かれる「更新伝道大会」、5月24日のウェスレー回心記念日集会、年に数回の「ウェスレー研究会」を通して、ウェスレーの信仰を学び、メソジストのよき伝道を日基教団発展のため、生かすために活動している。

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