日基教団埼玉地区 〝被災者に寄り添い、仕える〟 東北ヘルプの支援活動振り返る 2013年9月21日

 東日本大震災の発生から2年半。日基教団関東教区埼玉地区災害対応委員会(三羽善次委員長)は9月7日、東北ヘルプ(仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク)顧問の長嶋清氏(アジア学院評議員、西那須野教会員)を講師に招き、さいたま市の大宮教会で講演会を開催した。

 1973年のアジア学院創立時から2009年まで同学院の職員を務めてきた長嶋氏。「被災地の人達に寄り添い、仕える」と題して、東日本大震災後2年間、仙台で救援活動のボランティアとして活動した経験を話した。

 震災発生時、長嶋氏はアジア学院でボランティアとして資料整理を行っていた。若い人たちが救援物資を持って被災地に入っていくようすを見て、「一緒に関わっていく必要があるのではないか」との思いから被災地に物資を届け始めた。3月下旬には自らの出身地である仙台を訪問。被災地の惨状を目の当たりにして、「原爆でも落ちたのかと思うような、全部が破壊されるような思い、足が震えるような思いがした」という。仙台に留まることを決意し、弟の家に泊まりながら震災被害調査や教会の救援活動に参加した。

 東北ヘルプ事務局長の川上直哉氏(日基教団仙台市民教会牧師)から協力を求められ、2011年10月から事務主任として東北ヘルプに関わることになった。東北ヘルプでは、「弱い立場に置かれた人々に寄り添う」という活動を行う中で、「亡くなった人々が一番弱い立場にある」ということから、他宗教者と協力して身元不明者の弔いを行った。また、ラジオや電話で「心の相談室」も実施。さらに、諸団体と協力して「外国人被災者支援センター」や、「食品放射能計測プロジェクト」の活動も展開してきた。

 長嶋氏は、日基教団東北教区被災者支援センター・エマオ石巻のボランティア活動にも3カ月間参加。アジア学院の活動と共通する特徴として、「活動を宣教の機会としない」「効率を求めない」「へりくだって同じ立場で寄り添う」という点を挙げた。

 同氏はまた、昨年10月から半年間、クリスチャンセンター南三陸の活動にも関わってきた。その中で、津波で家を失った被災者と、家が残った住民との間の確執が問題になっていることを指摘。被災者が住宅に住めるようになるまで、息の長い支援活動が必要であることを強調した。また、障がいを抱えた子どもたちが避難所に入れず、車の中で生活していたケースもあったことから、福祉関係者や地元の人々と協力しながら、障がいを抱えた子どもたちが自由に安心して暮らせる場を作る活動を行っていることも紹介。さらに、DV被害者の相談に関わる中で、「自分たちにできることとできないことがある」として、警察に相談することも必要だと述べた。

 最後に、「被災地の人達に寄り添い、仕える」教会の役割を強調。東北ヘルプの活動を通してさまざまな教派の人々とつながったことで、「信仰者としての生き方を問い直された」と述べ、超教派の働きの重要性を指摘。「一番弱い立場にある人たちとともに寄り添う」という東北ヘルプの方針を再確認した。

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 東北ヘルプでは、引き続き支援活動を続けていくため、協賛会員を募集している。会費は1口3千円(年間)。問合せ、申込みは東北ヘルプ事務所(〒980‐0012 仙台市青葉区錦町1‐13‐6エマオ2階 ℡・FAX=022・263・0520、Eメール=sendai@touhokuhelp.com)まで。

 

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