ウィーンでの世界大会に向けて 前島宗甫氏「震災決して忘れない」 WCRP日本委・宗教者研究集会 2013年9月28日

 世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会(庭野日鑛会長)は、9月6日、東京・杉並の芳?女学院情報国際専門学校セレニティホールで「第40回平和のための宗教者研究集会」を開催した。関係者ら約100名が集った。

 本集会は、今年11月にウィーンで行われる第9回WCRP世界大会に向けての事前学習会という位置づけ。「第9回世界大会テーマについて」と題し、眞田芳憲氏(WCRP日本委員会平和研究所所長、中央大学名誉教授)が基調講演。

 第9回世界大会開催に至る経緯、テーマ「他者を歓迎する―人間の尊厳、市民権、そして分かち合われる幸福のための行動」(仮訳)について解説した。このテーマは、地域紛争の激化と恒常化、それに伴う難民救済や支援、移民問題などの複雑な状況の中で、国家、人種、宗教、文化を異にする他者に対し、単に受け容れるのみではなく、相違を「歓迎」することの重要性から設定された。

 また、「東日本復興」「核兵器廃絶・軍縮」「MDGs(ミレニアム開発目標)」「平和教育」の各タスクフォース代表からの発表があり、続いてディスカッションが行われた。

 「東日本復興」タスクフォース代表の前島宗甫氏(元日本キリスト教協議会総幹事、WCRP日本委員会理事)は、「震災を決して忘れない、覚え続けること」が重要だと強調。現在20を超えるプロジェクトが実施されているが、東京の事務所だけでは不十分であったため、仙台に拠点を設けたことを紹介。

 さらに原発事故から生じる問題に対する「提言活動」について、「原発事故とわたしたちがどう向き合うのか、これが今回の震災で問われた大きな柱」と述べた。

 前島氏はそれらの活動から見えてくる第9回世界大会テーマ「他者を歓迎する」について、震災から生じたさまざまな問題を重ねて、「他者の考え方や意思を尊重するということは現地にとって重要なこと」と述べた。原発の倫理性に言及し、「原子力は、人と自然を犠牲にして成り立っているエネルギーであると言っても良い。世界の宗教者と共にこのテーマへの学びを深める、その呼びかけを日本委員会ができればと思う」と抱負を語った。

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