いのり☆フェスティバル 「宗教の博覧会」に300人来場 宮台真司氏「『希望ベース』に生きる」 2013年10月5日

 3年目を迎えさらに「祭典」らしい装いを帯びてきた「いのり☆フェスティバル」(略称=いのフェス)。今年は9月14日の終日、早稲田奉仕園(東京都新宿区)を会場に開かれ、来場者は前回を上回る約300人を記録した。主催は有志による同実行委員会。キリスト新聞社、いのちのことば社出版部のほか、日本聖書協会、早稲田奉仕園が協賛、後援団体にはドン・ボスコ社、シグニスジャパン(カトリックメディア協議会)、伝道団体連絡協議会に加え、仏教界から「虚空山彼岸寺」、「フリースタイルな僧侶たち」も名を連ねた。今年の企画には神道、イスラム教からのゲスト出演もあり、まさに「宗教の博覧会」とも言えるような様相を呈した。

 出展ブースは昨年を上回り、30を超えた。内容もさまざまで、キリスト教の専門出版社、クリスチャンのミュージシャンやアーティストをはじめ、パン屋、葬儀社、雑貨屋、セラピスト、大学、教会、自助グループ、同人サークルなどが軒を連ねる。出展者同士、来場者同士が交流を深める場ともなっており、所々で宗派・教派を超えて名刺交換する場面もあった。

 漫画『聖☆おにいさん』に登場する天使や、本イベントの公式キャラ「いのりん」に扮したコスプレイヤーも登場。年に1度の「お祭り」にふさわしく、場内の雰囲気を盛り上げるのにひと役買っていた。

 特設のゲームコーナーでは、雑誌「ミニストリー」の特典として2011年に制作されたカードゲーム「バイブルマスター」の試作改良版が披露され、足を止めてデモプレイに興じる人の姿も見られた。
 隣接する日本キリスト教会館内では、定期的な出張販売を終了した復活書店が古書セールを行い、すでに絶版となった希少価値の高い専門書の数々に、来場者が見入っていた。

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 セミナー会場では、吉祥寺のライブハウスで共演した「牧師ROCKS」と「坊主バンド」、韓流アーティストのサムエルさんによるミニライブに続き、「信じる者はホントに救われる?」と題する対談に、社会学者の宮台真司氏(首都大学東京教授)=写真右上、晴佐久昌英氏(カトリック多摩教会主任司祭)が登壇。

 「救われたいと思っていない人にはどう話せばいいか」「大震災と神の計画について」「聖職者による性的虐待について」など、会場からの率直な疑問に答えつつ、それぞれの救済観を披露した。

 カトリック教会の重視する「普遍性」について説き、「こんな罪にまみれた現実でいいと思いますか? イエスの姿に倣い、日々の小さな十字架をみんなで背負いましょうと、声を大にして呼びかけたい」と晴佐久氏。宮台氏は「制度や指導者を変えただけで良い社会にはなり得ない。『恨みベース』から『希望ベース』への転換が必要。内から湧き上がる力で『希望ベース』に生きる人は、幸せを感染させることができる」「深く沈んだ者にしか見えないものがある。それが見えるからこそ赦すことができ、利他的であることができる。順風満帆で希望に満ちたご利益だらけの人生を願う人は、死と復活の摂理を理解していない。十字架を負った者にしか奇跡的な振る舞いはできない」と応じた。

 続く日常系ゆるスピ座談会「リアル『さんすくみ』」では、漫画『さんすくみ』にちなんで、牧師、僧侶、宮司の息子たちが登場。堀真悟さん(日基教団早稲田教会員、早稲田大学大学院)、光澤裕顕さん(浄土真宗大谷派)、半田竜介さん(国学院大学大学院)が、「息子」ならではの悩みや、後継ぎ問題や恋愛事情、宗教と震災、差別との関連性などについて吐露。中盤、会場に居合わせたムスリムで臨床宗教師のナセル永野さんも加わり、さらに死生観の違いなどをめぐって広範な議論が交わされた。

 参加者からは、「若い宗教者たちがしっかりものを考えていて頼もしく思えた」「学術的でサブカル的で専門的で大衆的でエンタメ的に宗教を語れる場がもっと整備されればと思う」などの感想が寄せられた。

 今回、ボランティアスタッフとして参加した女性は、どの宗教の信仰も持っておらず、「会場も近いし、面白そう」だから手伝いたいとツイッターを通じて申し出たという。

 13日、CLCブックスお茶の水店(東京都千代田区)内で行われた「前夜祭」を含め、セミナー会場での企画の模様はユーストリームで視聴可能。来年も同会場で9月に開催を予定しており、今年2月に続く「いのフェス関西」も開催が検討されている。

 実行委員会では、今後の継続的な定期開催と地方での「いのフェス」開催を実現させるため、経済的な支援を呼びかけている。募金は、同実行委員会(三井住友銀行赤羽支店・普通・3994196)まで。

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