〝認知症になったら〟教会員が介護の経験語る 2013年10月12日

「高齢化社会と教会」テーマにディスカッション 日基教団埼玉地区アーモンドの会

 教会にも高齢化の波が押し寄せている。家族の認知症や介護の課題といった現実に教会は信仰的、聖書的にどのように受け止め、受け入れ、共に生きていったらいいのか――。認知症の身内をもち、介護経験をもつ教会員らが発題する集会が9月22日、日基教団埼玉和光教会(埼玉県和光市)で開催された。同教団関東教区埼玉地区による「障がいを負う人々と共に生きる教会を目指す懇談会(アーモンドの会)」が主催し、「高齢化社会と教会――認知症に向き合う」という主題で、他教区や他教派も含めて126人が集った。

 北本教会牧師の石川榮一氏が司会を務めたパネルディスカッションでは、斗内寿子(埼玉和光教会員)、滝川英子(七里教会員)の両氏が家族介護の体験を話した。

 斗内氏は、義母の介護の様子について、当時小学生だった次女が書いた日記をひもときながら紹介。義母が家にあるありったけの洋服を着たり、本棚から本をとって破くなどの壮絶な様子を振り返りながら、8年に及ぶ求道生活ののちに、和光教会で受洗したことを語った。

 滝川氏は12年に及ぶ義母の介護について、「同居しているときには共に生きることに疲れ果て、自分は発狂するのではと思う日もあったのに、主は12年間最後まで責任をもって守り導いてくれたことに感謝」と述べ、教会員が認知症になったとき、「日ごろからの教会員の家族との交わりの必要性を実感する」と語った。

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 また、介護現場の実態については、「たすけあいネット志木」理事長・主任介護支援専門員で社会福祉士の佐久間文雄氏(志木教会員)が解説した。佐久間氏によれば、全国で65歳以上の高齢者の内、認知症の人は推計約15%(462万人)に上るという(2012年時点)。それは決して珍しい病気ではなく、4人に1人の割合であり、85歳以上では40%を超える。また、ケアを受ける中心は婦人だという。

 佐久間氏は、誰でも認知症になることが考えられるので、その覚悟が必要であることや、認知症になっても感情は残っているものであり、認知症の人にとって最も大切なことは「役割をもっていること」だと述べた。「介護する側が何でもかんでもしてあげなくちゃと思って、役割を奪うことは良くない。調理が好きな人だったら、キュウリでもネギでもいいから切らせてやってほしい」。

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 3氏の発表を受けて、介護施設である「キングスガーデン」施設長の児島康夫氏が提言した。「共感する」ことの大切さを施設での事例をもとに紹介した。

 午後には、小グループによる分かち合いの「バズセッション」が行われた。6~7人のグループに分かれて、それぞれの体験談や、意見交換を行った。

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