目白教会100周年記念 神の期待に沿える一歩を 中村征一郎氏、「福音教会」を語る 2013年10月26日

 日基教団目白教会(東京都新宿区、古旗誠牧師)が今年で創立100周年を迎えることを記念し、同教会ゆかりのP・S・メーヤー宣教師を派遣した福音教会の信仰について、中村征一郎氏(東金教会牧師)=写真=が9月29日に同教会で講演した。

 メーヤー宣教師は1909年に来日し、1913年、築地から目白に移転。教会堂や宣教師館(メーヤー館)を建てた。メーヤー館は昨年5月、中村氏の尽力によって千葉県東金市に移築され、保存されている。

 「福音教会の信仰」と題して講演した中村氏は福音教会について、①学ぶようになったきっかけ、②教理の根幹である「成全の教理」をめぐる論争、③創設者ジェイコブ・オルブライトの信仰の特徴、④その信仰の現代における意義、の4点を語った。

 小石川白山教会を母教会とし、東金教会で35年間牧会している同氏は、1984年の納骨堂の献堂式をきっかけに同教会の歴史資料を集め始め、日本福音教会の教会史についても調べるようになったという。さらに、米国からの宣教師の働きに報いるため、米国の福音教会史についても調査し、1990年に『東金教会百年のあゆみ』(非売品)にまとめた。

 その過程で、福音教会の根幹であった「成全の教理」に対する疑問が生じたとし、1856年に起こったこの教理をめぐる論争について言及した。「成全の教理」とは、「神は人間に自由に決断する心を与えられた。自由な決断において、神に対して信仰を告白し、教会に向かって歩んでいく」という信仰理解。一方で、「救われながら常に罪を犯している存在が自分。ただ神の赦しの中で、それでも信仰者として歩むことを赦されている」という信仰理解を提示。「罪が赦されて、救いに向かって罪を犯さない人間なので完全に歩むことができる、とは到底言えない」としながらも、福音教会について学ぶにつれて、少しずつ「成全の教理」が分かってきたと述べ、オルブライトの信仰の歩みがそれを解く鍵だと語った。

 オルブライトにとって「神へのまったき服従」が最大の課題であったとし、「彼は神の存在への疑念はまったく持っていなかった」と解説。「果たして神によって自分の罪を赦していただけるのか。どれだけ神に服従していけるか。これが彼の信仰告白の特徴」と述べ、「そこで問われるのは、神が啓示において存在を示すということではない。存在したもう神に、こちらが決断して従っていく」ことだと語った。

 その上で、福音教会の信仰の特徴について、「神の存在についての懐疑がない。確固とした信頼がある」と解説。同氏が福音教会の信仰に必要だと思うこととして、①生きている神がいつでも自分と一緒にいてくださるという感覚、②服従は内側においては敬虔となり、外に向かっては伝道という形で出てくる、という2点を指摘。「わたしたちは時々、〝赦し〟にとどまりがち。それでは力強さに欠ける」とし、「もっと力強い信仰が必要ではないか。神の期待に沿えるような一歩を踏み出していく信仰者でありたい」と訴えた。

 「目白教会創立100周年記念伝道講演会」の第2回は10月26日、午後2~4時に同教会で開催。賀来周一氏(キリスト教カウンセリングセンター相談所長)が「生き方・死に方=寅さん映画を裏から見ると」と題して講演する。また、創立100周年記念礼拝が11月4日、午前11時から行われる。

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