井植文化賞 『ミナト神戸の宗教とコミュニティー』 関学キリスト教と文化研究センターが受賞 2013年10月26日

 多様な宗教が共存する神戸の歴史と文化を検証した『ミナト神戸の宗教とコミュニティー』(神戸新聞総合出版センター)=写真右。同書を編纂した関西学院大キリスト教と文化研究センター(前センター長・神田健次)がこのほど、地域社会の振興に貢献した兵庫県ゆかりの個人、団体をたたえる「第37回井植文化賞」の「報道出版部門」に選ばれた。

 同賞は、三洋電機の創業者で淡路島出身の故・井植歳男さんの遺志を継ぐ井植記念会(神戸市垂水区)が、1973年に創設したもので、科学、芸術、社会福祉など6部門で活躍した2個人、4団体に贈られる。副賞は個人50万円、団体100万円。

 選考委員であるNHK神戸放送局長の長﨑泰裕氏は、「世界に不寛容な空気が満ち溢れる中で、多様性と文化的な柔軟性という国際宗教都市神戸が育んできた寛容の精神こそ、対立と争いの絶えないこの世界が今一番必要とすることではないか。町の来歴を新たな視点から解き明かしただけでなく、グローバル化する時代をどう生きていくかのヒントも与えてくれる、今日的意義を持つ書物と言えよう」と推薦の言葉を寄せた。

 キリスト教と文化研究センターは1997年、生命倫理、宗教間対話など、現代世界が直面する問題についてキリスト教の観点から理解を試みようと設立され、これまで『キリスト教平和学事典』(教文館)の編纂をはじめ、学内外の研究員を含む複数の研究プロジェクトを設けて活動している。

 本書の執筆に携わったのは、神田氏(同大教授)、授賞式に列席したオムリ・ブージッド(同大非常勤講師)、山本俊正(同大教授、宗教主事)両氏のほか、同じく宗教主事の村瀬義史氏、栗林輝夫氏と、畠山保男(同センター教授)、クリスチャン・ヘアマンセン(同大教授、宣教師)、徐亦猛(福岡女学院大学准教授)、小田武彦(聖マリアンヌ医科大学特任教授)の各氏。

授賞式で表彰を受ける山本氏(左)とブージッド氏

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