「特定秘密保護法案」に反対 キリスト教出版界が共同声明 2013年11月2日

 キリスト教出版販売協会の小林望幹事長と、キリスト教出版界の8媒体の編集長が連名で、「特定秘密保護法案」に反対する声明を10月23日、安倍晋三首相宛てに送付した。

 声明では、反対する理由として、次のような7点を示している。
 ①法案「第一章総則(目的)」には、なぜ既存の自衛隊法などでは秘密漏えいを防ぎえないのかなど、客観的理由が一切明記されておらず、本法案の目的からして賛成できる根拠が見つからない。

 ②法案の「特定秘密」の指定に関する「別表」各項目は一義性に欠け、「拡張解釈」の余地が含まれている。したがってある情報がこの項目に該当するか否かは、時の「行政機関の長又は警察庁長官」の恣意性に委ねられることになり、国民の基本的人権を不当に侵害する危険性を帯びている。

 ③法案の規定する「特定秘密を取扱う業務を行う者」及びその関係者に対する「適性評価」の内容・方法は、国民の基本的人権を不当に侵害する危険性を帯びている。

 ④法案には、ある情報が「特定秘密」と指定された後、その秘密事項が行政機関によって適正に取り扱われているかを審査する機能が欠落している。

 ⑤法案には、国民の「知る権利」「取材・報道の自由」について「十分に配慮しなければならない」という主旨の文言が盛り込まれるとされているが、あくまでも「努力規定」でしかない。しかも法案に抵触する者に対する厳罰は不変更であり、実質的に法案全体が国民の「知る権利」「取材・報道の自由」を著しく制限していることに変わりない。

 ⑥法案(とくに第九条)が「日本国憲法改正草案」(自由民主党)、「集団的自衛権」行使容認の動き、「日本版国家安全保障会議」設立の動きなどと連動しており、実質的に米国と共に外国で戦争をなしうるための備えであることは明白。これらの一連の動きは憲法第九条に抵触する危険性があり、憲法改正の国民的議論を待たずして法案を先に通すことは許されない。

 ⑦総じて法案は、憲法前文の精神に著しく反したものと考えられる。

 声明に名を連ねた各媒体の編集長は、「キリスト新聞」岩倉正美、「キリスト教文化」松山健作、「クリスチャン新聞」根田祥一、「信徒の友」吉岡光人、「聖公会新聞」唐澤秩子、「百万人の福音」鴻海誠、「福音と世界」深谷有基、「ミニストリー」松谷信司の各氏。

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