青年座『夜明けに消えた』 1960年代の空気表現 2013年11月2日

 10月18日、青年座が過去の秀作を掘り起こして上演するシリーズの第5弾「青年座セレクションvol.5」『夜明けに消えた』(矢代静一作)の上演が始まった。演出は須藤黄英(本紙10月12日付「語る」欄に登場)。初日は128人の観客が青年座劇場を埋め尽くした。

 〝古典〟とも言える正統派の作品。俳優の発するぎゅっと実の詰まった台詞の一言ひとことが客席を圧倒した。「どちらかというと私もオーソドックスな演出をするので」と笑う須藤さんが、初演であり物語の一つの舞台である1960年代の空気を見事に表現した。喜劇的な場面も挟みながら、キリスト教の信仰を軸として問いかけられる人間の普遍的なテーマに涙する観客も。

 20日には矢代さんの娘で女優の毬谷友子さんも観劇、自身のツイッターに「濃厚なワインを飲んだ後みたい。私が8才の時に父が書いた芝居。1語1句聞き漏らすまいと。8才の私には図り知れない、いろんな事考えてたんだなあ、若き父は。最後、泣いちった」と思いをつづった。上演時間は約2時間半。

 

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