ハイデルベルク信仰問答450年 「カテキズムは生きるもの」 記念講演会で齋藤五十三氏 2013年11月2日

 ハイデルベルク信仰問答の刊行450周年を記念して、「慰めに生きる教会を建て上げるために――ハイデルベルク信仰問答の霊性」と題する講演会・研究発表会が10月21日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で行われた。約100人が参加した。

 欧米では同信仰問答の450年を祝う学会が盛んなことから、日本でも勉強会を開催したいと、朝岡勝氏(日本同盟基督教団常任書記、同教団徳丸町キリスト教会牧師)を代表に、同教団の教師が「ハイデルベルク450実行委員会」を結成し、今回の講演会・研究発表会を企画した。

 「『確かな』慰めへの応答――信仰問答が450年間問い続けてきたこと」と題して、齋藤五十三氏(同教団派遣台湾宣教師)=写真=が基調講演を行った。

 同氏はハイデルベルク信仰問答の歴史的背景をたどり、当時は救いの「確かさ」が明確にされることが神学的に要求された時代であったと解説。聖書の約束という「客観性」に基づく救いの「確かさ」を宗教改革運動が訴えたのに対し、同信仰問答は「慰め」を原理として用いて客観と主観のバランスを取ることに成功したとする意見を述べた。

 その上で、ウルジヌスの注解に基づいて、「キリストとの結合」から「慰め」が始まるのだとし、同信仰問答全体を通して繰り返し「結合」に言及されていることを提示。「義認を前面に出す多くのカテキズムと異なり、ハイデルベルク信仰問答は『結合』を中心にして救いを扱う」「キリストの人格に結ばれるという人格的つながりが救いの確信となる」と述べ、「これがハイデルベルク信仰問答の持つトーンであり、温かみの源になる」と主張した。

 今後における同信仰問答の実践的課題については、「カテキズムは学ぶものではなく生きるもの」と強調。神学の世界では、オリジナリティを持ち、実践的である文書が、時代を越えて受け継がれていくとし、同信仰問答はこの二つを備えていると主張。同信仰問答は明確な方向性を持っているとし、それは「福音に感動した人が、神への感謝の応答として神の言葉を生きようとする方向性」だと語った。そして、同信仰問答が育もうとしたキリスト者像とは、感謝と祈りを持って神と人を愛していく方向性を持ったキリスト者であると述べた。

 続いて、青木義紀(同教団補教師、ルーヴァン福音主義神学校付属ポスト宗教改革研究所研究員)、石原知弘(日本キリスト改革派園田教会牧師、神戸改革派神学校非常勤講師)、朝岡の3氏が研究発表を行った。

 青木氏は「知と信からなる真の信仰」と題して、「まことの信仰」を問う同信仰問答の問21の内容を吟味。石原氏は「ハイデルベルク信仰問答とオランダ改革派教会」と題して、16~17世紀のオランダ改革派教会における同信仰問答受容の歴史をたどり、同信仰問答による教理問答説教について、歴史と実際を概観した。朝岡氏は「慰めを問うカテキズム――説教・教育・牧会のために」と題して、「信仰」「益」「慰め」を問う同信仰問答の三つの問いのかたちに注目して発表を行った。

 また、吉田隆氏(日本キリスト改革派仙台教会牧師)が「慰めの力――『ハイデルベルク信仰問答』の霊性」と題して講演を行った。

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