「信教の自由と政教分離」テーマに 新日本宗教連合会が公開講座 2013年12月7日

〝憲法が国家神道拡大の歯止め〟

 公益財団法人新日本宗教連合会は11月8日、東京都杉並区のセレニティーホールで、公開講座「信教の自由と政教分離 憲法改正論議の現状と課題」を開催した=写真。

 平野武氏(龍谷大名誉教授)が日本国憲法における信教の自由と政教分離制について説明。また、2012年4月27日に自民党が発表した憲法改正案と、現行憲法を対比し、憲法観の問題に言及した。

 パネルディスカッションでは、本山一博(玉光神社権宮司)、金子昭(天理大学教授)、島薗進(上智大学教授)の3氏が登壇。新宗連事務局長の斎藤謙次氏がコーディネーターを務めた。

 「信教の自由と人間の尊厳」について発表した本山氏は、公権力による宗教の価値判断を許してはならないことを強調し、一例として「五島列島久賀島のキリシタン弾圧」を挙げた。

 天理教の信者でもある金子氏は「近代日本の政治・社会・宗教 戦前と戦後の比較からの問題提起」と題して語った。「宗教の政治利用と政治の宗教利用における危うさをもっと自覚すべき。今最も警戒が必要なのは、愛国心の醸成に国家神道が再び侵入してくること。宗教界だけの問題としてではなく、国民主権の課題として取り組むべき」と総括した。

 島薗氏は「国家神道の現在と信教の自由」の主題で発表。「国家神道は国家的な儀礼と関わって一定の地位を占め、また民間には国家神道を盛り上げようとする運動がかなり広範に存在してきた。国家神道の影響力を強めていこうとする運動は長期にわたり行われてきた。その影響力拡大に一定の歯止めをかけてきたのは日本国憲法であり、信教の自由の規定だ」。

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