被爆者の俳句英訳した米国人神父殺害される 2014年1月25日

 米カリフォルニア州ユーレカでカトリック・セントバーナード教会のエリック・フリード神父が1月1日、司祭館で殺害されているのを発見された。現地警察は2日、同州ハンボルト郡の住民ゲイリー・リー・バロック容疑者(43)を逮捕した。神父が運転していた自動車も付近で発見された。フリード神父は着任以来、現地の日本人コミュニティなどへの司牧に務めた。また州立ハンボルト大学で宗教学を講じていた。

 同神父は、原爆投下時、広島市立第一高等女学校4年生だった高梨曠子さんが、被爆50年を区切りに自らの被爆体験と向き合い、詠んだ俳句を英訳し、『被爆体験を俳句に』を執筆した。2009年に広島カトリック教会関係者の手で出版された。

 同神父は2002年夏、高梨さんに出会い、「美しい日本語の詩に被爆者の思いが凝縮され、米国人の心に響く」と俳句の英訳を決意した。句中の言葉の解説、多数の生徒が原爆の犠牲になった女学校の沿革、高梨さんの思いにも触れながらまとめたという。

 ロサンゼルス・タイムズ紙によると、警察は、司祭館で「激しい格闘」の後に容疑者がフリード神父を殺害したものと見ている。動機はまだ明らかでないが、双方のこれまで関係がなかったことから、偶発的な犯行の可能性がある。

 バロック容疑者は12月31日昼過ぎ、公共の場で泥酔しているとして逮捕され、病院での検査の後、収監されたが、元日早朝に釈放されている。午前2時ごろ、教会に不審者がいるとの通報を受け、警察がバロック容疑者を発見したものの、緊急保護施設に送付した。容疑者はそこからまた教会に立ち戻ったと見られる。(CJC)

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