朝祷会年頭集会〈東京〉「寄留の外国人を自分のように愛する」 小橋孝一氏が記念講演 2014年2月15日

 朝祷会全国連合(山下佳弘会長)は、「キリストの証人」を主題に第43回年頭集会〈東京〉を1月24~25日、在日本韓国YMCA(東京都千代田区)で開催し、全国から80人が参加した。24日には、日本キリスト教協議会(NCC)議長の小橋孝一氏=写真右=が「自分自身を愛するように」と題して記念講演を行った。

 小橋氏はNCCの目的として、①日本のキリスト教の交わりと協力・一致、②社会活動に取り組む、③国際交流――という三つを挙げ、その中から「社会活動」について話した。

 同氏は、キリスト教が日本社会では「愛の宗教」と言われているとし、それが強調されすぎると、その土台である「神に対する愛」がなおざりにされる懸念があると主張。「すべてにおいて神さまを大事にするからこそ、隣人を愛することができると、聖書は言っているように思う」「自分自身のことを考えるのと同じ真剣さを持って隣人のことを考えなさい、そう神さまは言っている」と強調した。

 その上で、隣人愛の一例として、レビ記の「寄留者」について言及。「生まれついた自分の民族から離れて、ヘブライ民族の世界へ来てそこに住みつき、生活をしている人たち」である「寄留者」は、ヘブライ人から見れば異質な存在だと説明し、「そのような寄留の外国人を自分自身のように愛しなさいと神さまはおっしゃっている」と述べた。

 また、さらなる例としてルツ記を取り上げ、「寄留の他国人であるモアブの女ルツを、ユダのベツレヘムの人たちが迎え入れたという話」と紹介。「ベツレヘムの人たちは、寄留の外国人であるモアブの女ルツが、自分たちと同じように落ち穂を拾うことを認めている」と述べ、ルツを自分たちの社会の一員として扱い、一緒に社会保障の枠の中に入れている、と解説した。

 「寄留の外国人に対する愛、それがどんなに素晴らしい結果を生むか、どんなに神さまの祝福を受けるか、ということを聖書は語っている」とした上で、現在の日本社会にも、在日韓国・朝鮮人をはじめとして、諸外国にルーツを持つ外国人が多くいると強調。「日本社会の中に寄留の外国人として住みついている方々を、自分自身のように隣人として愛するということを、聖書は言っているのではないか」と訴えた。

 そのためには、日本社会での外国人の生活実態を知り、どのような法制度のもとに置かれているのかを正確に理解し、その改善のために力を尽くすことが必要であり、それが「聖書の言う隣人愛の最低限のこと」だと主張。ところが戦前から現在に至るまで、日本の法制度は外国人を管理して排除しようとするものだと述べた。

 さらに、東日本大震災の被災状況について、寄留の外国人の状況はほとんど報道されないと述べ、市町村の協力を得て調査し、一人ひとりに面接して、生活状況を尋ねていくことが必要だと述べた。

     ◇

 全体会議では、朝祷会全国連合の事務局所在地を大阪クリスチャンセンター(大阪市中央区)に固定し、会報「朝祷」誌の発行事務を同所の職員に有給で依頼して継続的に同所で編集・発行することを決定した。これまでは東京と大阪から交互に会長が選出され、東京で同誌の発行を行う際は、関東ブロックが無給で業務を行ってきたが、東京・大阪以外のブロックからも会長を選出しやすくするため、同誌の編集・発行を大阪で継続的に行うことにした。

 

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