日本カトリック映画賞 池谷薫監督「先祖になる」が受賞 2014年2月15日

 2月1日、SIGNIS JAPAN(=カトリックメディア協議会、千葉茂樹会長)は2013年度の「日本カトリック映画賞」に、池谷薫監督=写真下=の「先祖になる」(蓮ユニバース製作・配給)を選定した。授賞式および上映会は5月5日(月)午後1時から東京・中野ゼロホールで開催する。

 同作は、中国残留日本兵の悲劇を描いた「蟻の兵隊」が記録的ロングヒットとなった池谷監督の最新作。震災からひと月後に陸前高田を訪れた撮影チームは、そこで佐藤直志さん(77)というきこりと運命的な出会いを果たす。佐藤さんは津波で長男を失い、家も壊された。妻は仮設住宅に移ったが、佐藤さんは壊れた家に留まり、森の木を伐って家を建て直すという夢を捨てない。

 「水だけあれば、どんな所でもやっていける」。瓦礫を除き野菜を作り、田んぼを借り田植えをして自給自足に近い生活を始める。そのような佐藤さんの姿に見惚れた池谷監督は、前作に引き続き孤軍奮闘する“ガンコ老人”を追うことを決意。

 寄り添うように撮影を重ねながら、困難に屈しない“日本人の底力”を描き出していく。撮影期間1年6カ月。東京~岩手往復の走行距離は5万キロに達した。昭和1桁生まれの主人公が示す矜持は、戦争や災害から立ち直ってきた日本人とは何なのか、人が生きていくのはどういうことなのか、真っすぐに語りかけてくる。第63回ベルリン国際映画祭エキュメニカル賞特別賞受賞。カラー118分。

 日本カトリック映画賞=前々年の12月から前年の11月までに日本国内で制作・公開された映画の中からカトリックの世界観と価値観にもっとも適う作品を選んで贈られる。今年で38回目を数える。

写真:増池裕子 ©蓮ユニバース

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