「ローザンヌ運動」40周年 〝世界宣教へ、全教会を動員〟 マイケル・オー新総裁が講演 2014年2月22日

 日本ローザンヌ委員会(金本悟委員長)は、「ローザンヌ運動」40周年、およびマイケル・オー新総裁就任を記念して、記念レセプションと公開講演会を2月3日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催した。レセプションには関係者約90人、講演会には一般参加者を含む約150人が出席した。

 レセプションでオー氏は、宣教師として来日した自身について、「神さまは、韓国系アメリカ人であるわたしに、日本人に対する憎しみを乗り越えるという大きな試練を与えられた」と語った。

 ハーバード大学大学院で、日本の文化人類学と歴史を学んだオー氏は、日本軍の生物化学兵器部隊と七三一部隊による医学実験や、従軍慰安婦についても研究。日本に「キリスト聖書神学校」を設立するための準備をしていた時期と重なるが、「あまりの怒りに、このミニストリーから挫折しそうになるほどだった」と、当時の心境を明かした。

 「あなたの敵を愛しなさい」というみ言葉を覚え、「わたし自身が神さまの敵であった」と気づいたことから、「値なしに愛されていることを知り、値なしに人を愛することを知った」という。「キリストによって、わたしはかつて敵と呼んでいた者を兄弟姉妹、友と呼ぶことができる」とし、「この和解はわたし自身の罪を神さまの前で認めることから始めなければならない。他の人の罪を神さまに差し向けることからは始まらない」と強調。「わたしたちが神さまと和解したように、韓国人と日本人が、イエス・キリストの死の力によってのみ和解できることを信じる」と語った。

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 講演会でオー氏は、「これからの世界――宣教の焦点と教会が問われる課題」と題して英語で講演。永井信義氏(拡大宣教学院学院長)が通訳を務めた。

 オー氏は、40周年を迎えた「ローザンヌ運動」の今後の40年について、世界宣教の中でも特に未伝地に対する宣教の働きに焦点をあてることを強調。「すべての教会を動員する」と述べ、その鍵となる人々として、女性・信徒・若者の動員を訴えた。

 また、「健康的な神学を建て上げていくこと」を指摘し、世界宣教に情熱的に取り組む次世代の神学者たちを導いていくことを挙げた。さらに「世界宣教の方策」に影響を与えていくことを掲げ、今年7月から、「ミッションチャイナ2030」という中国宣教の働きを進めていく予定だと話した。

 「ミッションチャイナ2030」の目標としては、①国家的に次世代のリーダーたちを神学的に教育する、②5千の教会を開拓する、③2030年までに中国から2万人の宣教師を送り出す――という3点を示した。

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 オー氏は現在42歳。2004年に来日し、名古屋市に「キリスト聖書神学校」を設立して校長に就任した。現在同校理事長。米長老教会(PCA)の教師であり、宣教師として日本長老伝道会に派遣された。07年より「ローザンヌ運動」の理事を務め、昨年3月に新総裁兼CEOに就任。同氏の総裁就任に伴い、同運動の世界本部も名古屋に移転した。

 「ローザンヌ運動」=1974年にスイスのローザンヌで開かれた第1回ローザンヌ世界宣教会議から生まれた。2010年10月に南アのケープタウンで開催された第3回ローザンヌ世界宣教会議で『ケープタウン決意表明』を発表した。①世界宣教に神学的根拠を提供、②世界教会の宣教課題への取り組み、③全人的宣教を強調、④世界的パートナーシップ――を特徴とする。

 

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