東日本大震災から3年 「苦難通し、壁越え、次世代へ」 100年後見据え、「国際神学シンポ」 2014年3月8日

 東日本大震災から間もなく3年。日米の神学者・牧師・伝道者たちが、100年先の日本と教会のあり方を見据え、現在と将来の課題について論じ合う「東日本大震災国際神学シンポジウム」が2月15・17日の両日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催された。3回目となる今年は「苦難を通し、壁を越えて、次の世代へ」をテーマに据えた。

 17日は、次代を担う若手の神学生・教職・信徒向けのプログラムが行われ、若者を中心に約120人が参加した。

 午前には、ジョージ・カランティス氏(ホィートン大学神学部准教授)が、「あなたは誰の足を洗うのか――苦難のただ中でリーダーを起こす」と題して講演(翻訳=聖学院大学准教授・柳田洋夫氏)。4世紀半ば、カイサリアのバシレイオスが、修道士たちの孤住生活が内向きになり自己満足に陥る危険性を警告し、この世において神の手足となるよう訴えたことを紹介した。

 369年のカッパドキアの飢饉において、バシレイオスが病人のケアや食糧の分配、病院建設などを行ったことに触れ、「バシレイオスは、貧しい人々へのケアによって祈りの生活が活気づけられるような共同体的実践の構成において修道士たちを指導した」と解説した。

 その上で、「教会は、この世の競争の流儀の中にあるのではないし、神がそのようにしろと教会に言われているのでもない」とし、「教会は、キリストにおいてもたらされた新しい生き方の発現」だと主張。「隣人を愛す」ことが主の命令だと理解するリーダー、「救いは人格的なものであるにしても、決して個人的なものではない」ことを理解するリーダーを教会は必要としている、と述べた。

 午後には、被災地支援をしている青年たちの発題とディスカッションが行われた。

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 一般教職・信徒を対象にした15日は約65人が出席。午前には、ホァン・マルティネス氏(フラー神学大学院教授・副学長)が「イエスの示したように苦しみ、また仕える――災害後の意味形成について」と題して主題講演を行った。

 また、「震災への関わりと震災の語り」をテーマに、藤原淳賀氏(聖学院大学教授)の司会のもと、マルティネス、カランティス両氏に加え、稲松義人(日基教団常議員、日本キリスト教社会事業同盟理事長)、菊地功(カトリック新潟教区司教、カリタスアジア総裁)、倉沢正則(東京基督教大学学長)、濱野道雄(西南学院大学准教授、前日本バプテスト連盟宣教研究所所長)の4氏がパネルディスカッションを行った。

 午後には分科会が行われ、全体会ではデービッド・ボーァン氏(ホィートン大学心理大学院准教授、同大学人道的災害支援研究所共同所長)が「災害が教会に教えること」と題して講演した。

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 同シンポジウムは、「いかにしてもう一度立ち上がるか――これからの100年を見据えて」を総主題に、東日本大震災救援キリスト者連絡会(DRCnet、中台孝雄会長)、聖学院大学総合研究所、東京基督教大学が、米国のフラー神学大学院との共催で2012年から毎年開催しているもの。3回目の今年はホィートン大学も共催団体に加わった。

 

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