性的少数者にどう寄り添うか いのちの電話 上川あや氏が苦悩を振り返る 2014年3月8日

 社会福祉法人いのちの電話(森野嘉郎理事長)は2月22日、2013年度厚生労働省自殺防止対策事業オープンセミナーをYMCAアジア青少年センター(東京都千代田区)で開催した。世田谷区議会議員の上川あや氏が講師として「性的少数者と人権 とりまく社会状況と困難」と題して話した。

 森野理事長は、性的少数者の人々にどう向き合うか、ということは世界的にみても重要な政治的課題になっていることに言及。いのちの電話や各種の相談現場では、性的少数者の人々が抱える個人的な悩みにどう寄り添っていくかも重大な課題になっている。

 上川氏は03年4月、日本で初めて性同一性障害を公表の上、世田谷区議会議員選挙に立候補し当選。現在3期目の任期をつとめている。

 上川氏は、性を読み解くヒントとして、①身体の性(セックス)、②心の性(性自認)、③惹かれる性(性的指向)の組み合わせは人それぞれであると述べた。同性愛と性同一性障害の違いなど基礎的なことを説明した上で、その割合についても言及。そして、学校でのいじめなど差別や偏見を恐れる気持ちや、実際の不利益を解説した。若者の自殺未遂経験の割合は、異性愛者よりも、同性愛者のほうが高い。

 上川氏は、「一番大切な、かけがえのない人にほど、自分が性的少数者であることを語れない」と強調、自身のライフストーリーとその苦悩を振り返った。

 議員になる前の数年間は、女性として複数の企業に勤務していたが、当時は公的書類の性別を訂正する制度がなく、正規採用を受けることを断念してきたという。「男という一文字で全てが御和算になる。全てが全て却下されてしまう」。

 「絶望から始まった選挙」と話す上川氏は、「女性」で立候補を届け出たときの様子についても触れ、「訴えなければ社会は変わらない。自己努力だけで変わらなければ、訴えるしかない」と語った。

 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立したのが03年7月。上川氏もこれに基づき、05年4月、性の変更が認められた。

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