受刑者支援を文通で マザーハウスが協力呼びかけ 2014年4月26日

 民間非営利団体マザーハウス(東京・渋谷、五十嵐弘志代表)が受刑者と文通するボランティアを募集している。受刑者の更生支援や社会復帰支援を目的として2012年に設立された同団体の「マザーハウス・ラブレター・プロジェクト」の一環。(2014年2月14日東京都にNPO法人認可申請)

 五十嵐代表は前科3犯、受刑歴も約20年に及ぶ。「神の愛の宣教者会」の修道女との交流などにより獄中で回心、出所後、マザーハウスを設立した。受刑者や出所者へのフォローに奔走しながら、「キリストの証人」として活動している。「人生は、出会いで決まる」が同代表のモットーだ。

 マザーハウスは現在12人の元受刑者のサポート、約150人の受刑者との文通、面会を行っている。受刑者のなかには、逮捕後、友人はもとより、家族や親戚と音信不通になり、絶縁状態や孤立無援の人が少なくない。

 同プロジェクトの目的は、犯罪人として社会から疎外するのではなく、受刑者が、より多くの外部の人々とのコミュニケーションを図ることにより、健全な精神を取り戻すことを目的に、心の交流を深め、再犯しないように手助けすることにある。

 五十嵐代表は「わたし自身、受刑中に多くのキリスト者、外部交流者を通して、神さまの真の愛を知り、交流者との文通は真の愛の交わりであると感じ、日々祈り、聖書を学び、愛を実践し、さまざまなことを学ぶことができた」と振り返る。「こうした文通によって、獄中でも真の愛のふれあいができると思う。真の愛はどんな人間でも変えることができる。その証明が、約20年受刑生活を送ったわたし自身です。みなさん一人ひとりが、闇を照らす光となってほしい」と、同プロジェクトへの理解や協力を呼びかけている。文通ボランティアは18歳以上(高校生は不可)で、すべてマザーハウスを通して行う。

 このほど、五十嵐代表のもとに教皇フランシスコから手紙が届いた。五十嵐代表が送った手紙に対する返事だという。

 「私は教皇様なら私たち受刑者を受け入れてくださり、教会がそのような状況におかれた人たちをキリストの愛を持って包み、回心へと導くことが大切であることを理解していると感じるのです。今日の日本の宗教界は死んでいるではないでしょうか。でも、教皇様は私にキリストの姿と匂いを感じさせてくださいました。そして、キリストが闇の中で光り輝き、多くのクリスチャンを招いていることを知っていると思うのです。だからこそ、就任して間もないのに少年院を訪れ、洗足式をしたのではないでしょうか行動で愛を示し、実践するとともに祈ることを教えてくださいました。この手紙は日本の受刑者への手紙だと私は思います」と、頬を緩ませた。

 また、マザーハウスでは、有機栽培されたルワンダ産のコーヒー豆「MARIA COFFEE」も販売している(1袋200㌘=900円)。受刑者が製造から販売に携わり、収益金は受刑者の更生・社会復帰支援などに使われる。

 問合せ=〒151-0071 渋谷区本町1-41-11-101 民間非営利団体マザーハウス #080-3729-0067。

 

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