靖国参拝で新たに違憲訴訟 原告、弁護団にキリスト者 2014年5月3日

 安倍晋三首相が昨年12月26日に靖国神社を参拝したことは政教分離原則に違反し、宗教的人格権、平和的生存権を脅かすものとして、戦没者遺族や宗教者、韓国人ら273人が4月21日、安倍首相と国、靖国神社を相手に、公式参拝差し止めや1人当たり1万円の損害賠償などを求めて、東京地裁に提訴した。

 訴状によると原告は、安倍首相が「戦前に靖国神社が有していた軍国主義の精神的支柱としての役割を現在にも甦らせ、国のために犠牲になることを美化するシステムとして靖国神社を積極的に利用しようとしている」と主張。参拝行為によって近隣諸国との関係が悪化し、現実的な戦争などによる被害や恐怖にさらされたとしている。

 同日夜に日基教団信濃町教会(東京都新宿区)で行われた報告集会では、「安倍靖国参拝違憲訴訟の会」の支援者らが集い、提訴に至る経緯や訴状の内容などについて報告を受けた。

 呼びかけ人の一人である坂内宗男氏(日本キリスト教協議会=NCC=靖国神社問題委員会委員長)は、「私たちは外国が反発するから問題にしているのではない。天皇が参拝できるような戦前回帰に道を開いてはならない」と強調。

 弁護団事務局長の井堀哲氏(八王子めじろ台バプテスト教会員)は、これまでの中曽根康弘、小泉純一郎首相による靖国参拝との違いについて「公式参拝の要素が強いこと」「宗教的側面が色濃いこと」を挙げ、靖国神社を被告に加えたことについては、安倍首相の参拝に際して神職自らが先導、同行し、その間に本殿内の人払いを行うなど、積極的に受け入れ、便宜を図ったことを理由として説明した。

 呼びかけ人には坂内氏のほか、蒲信一(僧侶)、辻子実(平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル行動)、関千枝子(ノンフィクションライター)、山本直好(ノー!ハプサ・合祀絶止訴訟事務局長)、吉田哲四郎(神奈川平和遺族会共同代表)の各氏が名を連ね、4月1日からは原告の二次募集も行っている。

 これに先立ち11日には、大阪市の約540人が同様の訴えを大阪地裁に起こしており、今後の行方が注目される。

 

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