三浦綾子『氷点』入選50周年 各地で記念行事、小説募集も 2014年5月3日

 作家・三浦綾子さんの小説『氷点』が1964年に朝日新聞社の1千万円懸賞小説に入選してから今年で50年を迎える。これを記念して、さまざまな行事が行われている。

 4月11日には、三浦綾子読書会(森下辰衛代表=三浦綾子記念文学館特別研究員=写真)の主催する記念集会が、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で行われ、約90人が出席した。

 同読書会朗読部門講師の中村啓子氏が『氷点』の一節を朗読し、『三浦綾子100の遺言』(いのちのことば社)の著者である込堂一博氏(日本福音キリスト教会連合旭川めぐみキリスト教会前牧師)と、三浦綾子さんの初代秘書を務めた宮嶋裕子氏がそれぞれ記念講演を行った。

 また、4月25日に小学館から『「氷点」解凍』=写真=を刊行した森下氏が『氷点』について解説した。主人公の「陽子」は綾子さんの妹の名前であり、綾子さんが13歳の時に6歳で亡くなった。森下氏は、「綾子さんが陽子さんを選んで主人公にしたというところに深い意味がある。陽子さんを挫折・寂しさの中に陥れながら、しかしその中から『赦してくださる方はいるのだろうか』と、神を絶望の淵から求め始めているところまで連れていきたかった。それが『氷点』という作品の中心にあるもの」と語った。

 同読書会は2001年に東京で始められ、現在は国内外の110カ所以上で行われている。

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 公益財団法人三浦綾子記念文化財団・三浦綾子記念文学館(北海道旭川市)は「三浦綾子文学賞」を設け、6月30日まで小説作品を募集している。1作品は、400字詰原稿用紙換算で200~250枚の範囲。受賞作の発表は11月10日で、受賞作はKADOKAWAから出版される。応募規定の詳細は、同文学館事務局(℡0166・69・2626)まで。

 また同文学館では、『氷点』をテーマに3回の企画展を行う。第一弾「追体験で味わう〝『氷点』の聖地〝見本林」は、6月29日まで開催している。

 

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