牧師の悩み話し合える場に 牧会塾が総決算、9月から新たに11科目 2014年5月10日

 牧師とその配偶者の継続教育とケア、信徒の信仰成熟の場として2009年から5年計画でスタートした牧会塾(森直樹ディレクター)が区切りの年を迎えた。5月から7月までは「総決算のクラス」として7クラスを開講する。また、9月から新たにシーズン2「牧会塾PLUS」として18年3月まで11科目を開講する。

 牧会塾は、坂野慧吉(日本福音自由教会協議会浦和教会牧師)、堀肇(日本伝道福音教団鶴瀬恵みキリスト教会牧師、臨床牧会スーパーヴァイザー)、太田和功一(クリスチャン・ライフ成長研究会主事)の3氏を専任講師として、09年4月に3クラスを開講したことから始まった。5年間で延べ1200人が参加した。

 時代の変化に伴い、さまざまな心の問題を抱えた人々が、「真の共同体と霊的ケア」を求めて教会を訪れるようになったことや、牧会者自身の自己理解、霊的成長、メンタルケア、家族関係の配慮も重要になってきたことから、「同じ課題を担う人々と出会い、学び合い、慰めと励ましを得て、再び召命の場に出て行くプラットフォーム」となることを目指した。

 「経験豊かな指導者から、現代に必要とされる実践的、臨床的牧会学を学び、共に模索する」「講義だけでなく、講師との面談、参加者同士の出会い、励まし、つながりを大切にする」「聖書に根ざした真の霊性、人格形成、人間関係、仕えるリーダーシップのあり方を学ぶ」という趣旨を掲げてきた。

 4月21日、「終わりからはじまりへ」と題する感謝報告会がカトリック幼きイエス会ニコラ・バレ修道院(東京都千代田区)で開催された。

 牧会塾の推薦人の1人で、特別講師も務めた生島陸伸氏(カンバーランド長老キリスト教会日本中会牧師)=写真=が「嘆きも、喜びも…」と題してメッセージを述べた。同氏は「教会の中は病人の寄せ集め」と述べ、イエスが呼び集めたのは病人だとして、「教会の中で無力を経験しない牧師はいないと思う」と主張。神のみ手の中に置かれていることへの感謝と喜びが、人に仕えることにつながるのだと語った。

 これまでに「キリスト教人間学」「臨床牧会学」などのクラスを担当してきた堀氏は、本紙の取材に対し、「現代の教会において、牧師たちは牧会や伝道、教会形成など悩んでいることがたくさんある。本心を出して話せる場(になったこと)はよかったと思う。本当のことを話し合い、学び合うことは非常に大事。牧会塾が扱っている問題は、現代の牧師たちの本質的な問題だと思う。学校の教科書風なものではなく、現場から出てくる問題を考えるのが一つの特徴」と、5年間を振り返った。

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 同日には、『牧会相談の実際――カウンセラーと共に考える』(あめんどう)の出版記念会も行われた。同書の編著者である臨床心理士の藤掛明(聖学院大学准教授)、小渕朝子(青葉台カウンセリングルーム代表)、村上純子(聖学院大学准教授)の3氏がそれぞれ講演した。

 同書は、牧会塾の藤掛氏の講座に参加した小渕春夫氏(あめんどう代表、牧会塾運営委員)が、牧会における問題点や人間理解について学んだことをきっかけの一つとして生まれた。うつ病、境界性パーソナリティ障害、依存症などの問題に牧会者がどのように対応しているのか、具体的な相談事例を示しながら、カウンセリングの知識と基本的な考え方を学ぶこと、外部の専門家と協力することの必要性を訴えている。

 藤掛氏は同書について、「かなり具体的な心理相談の知恵が含まれているので、パンドラの箱を開けたような気がする。一旦基本的な知恵を提示したら、続々と後発の書籍を出さなければいけないと思っている。連動してケアしていくのが、この本に関わったクリスチャン臨床心理士の責任ではないかと思う」と述べた。

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 今後開講される各クラスの講師とテーマは次の通り。会場はいずれも東京・四谷のカトリック幼きイエス会ニコラ・バレ修道院。問い合わせ・申し込みは、牧会塾事務局(℡・FAX046・248・6224、Eメール=info@pastors.jp)まで。

★総決算のクラス(各10時半~16時、5月27日のみ10時~16時。定員=各25人。受講料=1クラス5千円)5月13日=太田和功一「牧会者と霊性・セルフケアー」(教職者とその配偶者対象)、27日=堀肇「現代日本のキリスト教会はいかに歩むべきか」、6月12日=森直樹「牧会とリーダーシップ」、19日=藤掛明「コラージュ(切り貼り遊び)超入門」、7月1日=坂野慧吉「牧会の神髄」、8日=大和昌平「キリスト教の冠婚葬祭を他宗教と比較しながら学ぶ」、15日=小渕春夫「ヘンリ・ナウエンの魅力とその歩み」

★牧会塾PLUS(各10時半~16時。定員=各20人。受講料=1日5千円、年間の初年度維持会費6千円が別途必要。詳しい日程・内容は事務局まで)講師=越川弘英、坂野慧吉(教職者とその配偶者対象)、大和昌平、太田和功一(教職者とその配偶者対象)、堀肇、藤掛明、山口陽一、小渕春夫、村上純子、水谷潔、森直樹(信徒・求道者対象)

『牧会相談の実際――カウンセラーと共に考える』(あめんどう)
四六版 206頁 本体1400円

 

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