冤罪通し死刑制度廃止へ 「袴田事件」早期の再審開始求めアピール 2014年5月10日

 1966年に静岡で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。無実を訴えていたカトリック信徒の袴田巌さん(78歳)に対し静岡地裁は3月27日、再審開始と刑の執行停止、拘置の停止を言い渡す決定を出したが、静岡地検は3月31日、即時抗告を東京高裁に申し立てた。

 袴田さんを支援する「無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会」(門間正輝代表)はこれに対し、4月22日、一日も早い再審開始を求めて東京・千代田区の衆議院議員会館前の歩道上で座り込みによるアピール、署名集めを行った=写真。小雨も降る曇り空の中、支援者ら十数人が集まり、鈴木宗男・新党大地代表、福島瑞穂・参院議員、田城郁・参院議員、鈴木貴子・衆院議員らも応援にかけつけた。

 日本カトリック正義と平和協議会(勝谷太治会長)は4月2日、山崎敏充東京高裁長官宛に「袴田巌さんの再審開始決定に対する即時抗告を棄却してください」とする声明を出している。即時抗告の申し立てを裁判所が審理するために、長ければ2年かかるとされている。

門間幸枝副代表の談話

 「画期的な決定がなされたことに対する畏敬の念、尊重が足りないと思う。静岡地検は面子が大事なのかもしれません。しかしそれ以上に人の命は大事なもの。巌さんは78歳、お姉さんは81歳という残り少ない人生を考えたら、もう待てない。1日も長く幸せに生きていただくために、まずは健康を戻して心身共に元気になられることを望むのが人間として当たり前」

 「巖さんが48年も苦しんだことにはきっと意味がある。それを生かすためには巌さんの冤罪を通して死刑制度廃止に向かわなくてはならない。ここで死刑が廃止にならなかったら日本社会の人道に対する姿勢が世界から疑われます。無実の人を48年も閉じ込めていて平気でいられるわけがない。おかしいということに気づき、変わらなければならないと思います。まずは、教会です。今の教皇様の姿勢に学ぶ必要があるのではないかと思います。福音的なキリストの教会に向かって一歩でも進まないと」

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